看護学教育授業改善システム(成人期学生用)の開発－医療人確保の将来を見据えて－

2018 Fiscal Year Research-status Report

• Project/Area Number: 18K10151
• Research Institution: Gunma Prefectural College of Health Sciences
• Principal Investigator: 山下 暢子 群馬県立県民健康科学大学, 看護学部, 教授 (30279632)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 舟島 なをみ 新潟県立看護大学, 看護学部, 教授 (00229098) ; 中山 登志子 千葉大学, 大学院看護学研究科, 教授 (60415560)
• Project Period (FY): 2018-04-01 – 2023-03-31
• Keywords: 看護教育学 / 成人期の看護学生 / 看護学の講義・演習・実習 / 授業過程評価スケール

Outline of Annual Research Achievements

本研究は、成人期の看護学生固有の視点を反映した授業過程評価スケールとガイドを開発し、スケールの測定結果を反映して教員が授業を改善するためのシステムを開発することを目的とする。この目的達成に向け、平成30年度は、次のように研究を実施した。
１．文献検討と概念「成人期学生」の既定：看護基礎教育機関に在籍する成人期の学生に関する国内外の文献を検討するとともに、国内の研修に参加し、看護基礎教育の動向に関する最新の情報を収集した。また、成人期の発達に関する文献も合わせて検討し、本研究における「成人期の学生」を29歳以上の学生と既定した。それは、29歳頃からの精神的課題が28歳までとは異なり、安定に向けた長期目標を据える、目標達成に向けて努力するなどとなり、学習者が学校へ戻る可能性も生じるためである。これは、29歳以上の学生の学習プロセスが28歳までの学生とは異なり、授業評価視点も異なる可能性が高いためである。
２．成人期の看護学生固有の授業評価視点の解明に向けた質問紙の作成：文献検討の結果に基づき、成人期の学生の「講義・演習・実習に対する評価視点に関する質問」と「対象者の特性を問う質問」から構成される質問紙を作成した。
３．２．にて作成した質問紙の内容的妥当性の検討：教員による質問紙検討会、成人期の学生19名を対象とするパイロットスタディを行い、質問紙が内容的妥当性を確保していることを確認した。

Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

平成30年度は、成人期の看護学生固有の授業評価視点に関するデータ収集を完了し、分析を開始する予定であった。しかし、文献検討に予定以上の時間を要した。また、各学校に在籍する成人期の学生の人数には限りがあるため、パイロットスタディにも時間を要した。
今後は、引き続き文献検討を行うとともに、早期に分析を開始できるよう、研究者らのネットワークを活かして積極的にデータ収集を行う。

Strategy for Future Research Activity

令和元年度、データ収集を完了する。また、収集できたデータをBerelson,B.の方法論を参考にした看護教育学における内容分析を用いて分析し、成人期学生固有の「講義・演習・実習」に対する評価視点を解明する。

Causes of Carryover

(理由)
平成30年度は、成人期の看護学生固有の授業評価視点に関するデータ収集を完了し、分析を開始する予定であった。しかし、文献検討に予定以上の時間を要した。また、各学校に在籍する成人期の学生の人数には限りがあるため、パイロットスタディにも時間を要した。そのため、データ収集のための旅費や分析に必要な文房具の費用、信頼性確認のための費用を使用できず、次年度使用額が生じた。
（使用計画）
令和元年度、引き続き文献検討を行うとともに、データ収集・分析を進める。また、信頼性確認に向けて、一致率を算出する。そのため、文献収集の費用、データ収集のための旅費や分析に必要な文房具の費用、信頼性確認のための看護学研究者２名による再分析および一致率算出の費用、共同研究者との打ち合わせ会議のための旅費として研究費を使用する予定である。