2021 Fiscal Year Research-status Report
「看護する身体」を育成する教育プログラムの開発~現状調査と学生の学びの質的研究~
Project/Area Number |
18K10198
|
Research Institution | Nagano College of Nursing |
Principal Investigator |
伊藤 祐紀子 長野県看護大学, 看護学部, 教授 (50295911)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
阿部 正子 名桜大学, 健康科学部, 教授 (10360017)
那須 淳子 長野県看護大学, 看護学部, 助教 (10613151)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | 看護 / 看護教育 / 身体 / 身体性 / 相互身体 / 身体知 |
Outline of Annual Research Achievements |
当該年度に実施した研究の成果として、日本看護学教育学会第31回学術集会(オンライン開催)の一般演題として「看護する身体」に関する看護基礎教育の現状~国内外研究の動向を捉える~を発表した。研究デザインは文献研究、分析対象文献は29件(国内19件、国外10件)、各文献の研究目的、方法、結果の類似性を検討し、「対象理解」「看護実践」「看護教育」に分類した。結果、対象理解に関する文献(国内3件、海外1件)は、看護師の身体を通じての患者理解3件、医療スタッフの経験理解1件。看護実践に関する文献(国内13件、海外2件)は、看護技術に内在する身体性7件、統合失調症患者への身体ケア2件、コミュニケーション技術3件、排泄ケアの実践知1件、糖尿病患者へのエンボディメントケア1件、新人看護師の実践知の再構成1件。看護教育に関する文献(国内3件、海外7件)は、臨地実習における学習活動4件、看護コミュニケーション教育支援システム2件、緩和ケア提供のための実践開発プログラム1件、ケアリングの教育方法1件、シミュレーション教育におけるデブリーフィング方法の検討2件だった。国内研究において看護技術や患者理解、看護ケアに内包されている身体性、その意図や意義を捉える一方、看護教育に関しては、実習体験の振り返り、コミュニケーション教育支援システムの開発にとどまり進展していなかった。海外研究では、国内とは対照的に教育支援システムの研究が進展し、身体性はケアリングの一部として教育プログラムに組み込まれていた。今後の課題は、看護師の相互身体性、身体性、身体知」に関する内容がケアリングとしてどのように検討されてきたのかを捉えることである。 以上から目的1については、「対象者と相互作用しながら看護する身体」に関する基礎看護学教育の現状について文献検討からその動向を捉えるに至った。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
新型コロナウイルス感染症の長期化に伴う教育方法の変更、大学として対策、看護専門職として地域のワクチン接種業務の応援など当初予期していなかった出来事に伴う影響が大きい。そのため、継続的に研究活動へのエホートを下げざるを得ない状況にある。
|
Strategy for Future Research Activity |
研究目的1の文献研究の成果をもとに学生を対象とした質的研究の研究計画書の倫理審査を受審し、研究目的2の看護学生が基礎看護教育を受け、臨地実習の体験を通じて、どのように「看護する身体」を生成していくのか、そのプロセスを明らかにする研究を推進する。残り1年で目的3に至るのは難しいため、研究計画を再検討し、継続的かつ新たな方向性を含めた研究計画書を作成し、次年度の科研申請に繋げる。
|
Causes of Carryover |
質的研究参加者への謝金、リモートインタビューのための通信機器(WEBカメラ、スピーカーマイク)、インタビューデータの逐語録作成費、翻訳委託
|
Research Products
(1 results)