2019 Fiscal Year Research-status Report
発熱・高体温に対する冷罨法技術のガイドライン開発に向けて
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18K10203
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Research Institution | Prefectural University of Hiroshima |
Principal Investigator |
三宅 由希子 県立広島大学, 保健福祉学部(三原キャンパス), 講師 (60433380)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
荻野 哲也 岡山県立大学, 保健福祉学部, 教授 (90252949)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 局所冷却 / 皮膚表面温度 / 皮膚末梢血流 / 熱流 |
Outline of Annual Research Achievements |
健康な成人男女48名を対象に、身体各部(前額部、側頚部、手掌)を冷却した場合の核心温、皮膚表面温度、皮膚末梢血流量、熱流束、自律神経活動、主観的評価の変化を測定した。 以下の6点が明らかとなった。 1.核心温は、すべての冷却部位において冷却前後で有意差はなかった。2.皮膚表面温度はすべての部位において冷却前と比較し冷却後に有意に低下した。前額部の冷却は側頚部や手掌の冷却と比較し、表面温度が低下しやすい。3.10分間の単位面積当たり熱移動量はすべての部位において冷却前と比較し冷却後で有意に増加した。側頚部への冷却は他の部位と比較し熱移動量が有意に小さい。手掌は冷却前の熱移動量が有意に高値である。4.血流は、前額部への冷却のみ冷却前と比較し冷却後で血流が有意に低下していた。冷却前、冷却後ともに頸部の血流が有意に少なく、手掌の血流が有意に多い。5.前額部、手掌は時間経過とともに冷感が増強していたが、頸部のみ有意差は見られなかった。 これらの結果から、今回の局所冷却による方法では、全身の解熱には影響しないこと、局所冷却により、皮膚表面温度、末梢血流量は低下しているため、炎症時の「発赤」「発熱」の軽減を図り、それに伴う「腫脹」「疼痛」の症状緩和には有効であることが分かった。また側頚部の冷罨法は安楽を提供する冷罨法として適している可能性が考えられる。 身体各部位の冷却による特徴、局所冷却による心身への影響の考察を深め、冷罨法技術の確立を目指したい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成31年度に計画していた局所冷却部位による身体への影響を把握することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度、平成31年度に行った研究結果を踏まえ、湿性冷罨法と乾性冷罨法の場合の心身に与える影響、局所冷却が心身に与える影響の検討を深める。
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Causes of Carryover |
今年度購入する予定であった物品を平成30年度に購入することができ、翌年度に当てることができた。 令和2年度は、心地よさに関するデータ収集、データ分析のため旅費に使用し、論文投稿に向けた物品購入や経費に使用する予定である。
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