2019 Fiscal Year Research-status Report
遺伝的リスクがある乳がん女性のセルフ・トランセンデンスを促進する支援モデルの構築
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18K10273
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Research Institution | Kansai Medical University |
Principal Investigator |
青木 早苗 関西医科大学, 看護学部, 准教授 (40516168)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤田 佐和 高知県立大学, 看護学部, 教授 (80199322)
杉本 健樹 高知大学, 教育研究部医療学系臨床医学部門, 准教授 (80216332)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 遺伝的リスク / 乳がん / 女性 / セルフ・トランセンデンス |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は,遺伝的リスクがある乳がん女性のセルフ・トランセンデンスの解明を行うために以下の内容についてデータ分析を行った. まず研究に参加協力が得られた30~60歳代の遺伝性乳がん卵巣がん症候群(hereditary breast and ovarian cancer syndrome :以下HBOCとする)である乳がん女性13名に対して行った半構成的インタビューのデータをもとに,HBOCである乳がん女性のセルフ・トランセンデンスはどのようなものであるかを明らかにした.セルフ・トランセンデンスとは,「日常の生活の中でも起こり得るが,人が生命を脅かす体験や人生を変えるような出来事に直面したときに,自身や環境との相互作用の中で,内的・外的境界を拡張しながら今を生きる意味や新たな見地を見出していく能力」である.データは,グラウンデッド・セオリー・アプローチ(grounded theory approach)を用いて分析した.分析の結果,HBOCである乳がん女性のセルフ・トランセンデンスは,7つの能力で構成されていることが明らかになった.現在論文投稿の準備を行っている. また,遺伝学的検査の結果,VUS (variant of unknown significance)と判定された再発乳がん女性がどのような体験をしているのかを質的分析法を用いて明らかにした.分析の結果,VUSと判定された再発乳がん女性は,自分は【遺伝性がんに対する抵抗感がないことを自覚する】が,【血縁者のことを思うと結果がグレーであっても話しにくい】と感じる体験をしていた.また,【結婚や出産に対する葛藤を経て,諦める】という辛い決断をする一方で,【幾度となく辛い体験を乗り越え,前向きな自己を獲得する】などの前向きな体験をしていた. 現在は,遺伝学検査の結果,変異が見られなかった7名を対象に分析を行っている.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
まだ解明がされていない「遺伝的リスクがある乳がん女性のセルフ・トランセンデンス」を明らかにすることを目的に研究対象を遺伝学検査の結果の有無を問わずデータ収集しながら分析を行ってきた.しかし,データ分析を行う過程で,遺伝学検査の結果によりセルフ・トランセンデンスに違いがあるのではないかという見解に達し,遺伝学検査の結果も考慮しながら再度丁寧に分析を行うことにより時間を要している.
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Strategy for Future Research Activity |
今後はまず,遺伝学検査の結果,変異が見られなかった7名を対象に分析を行う.そして, 現在までに得られた結果をもとに遺伝学検査の結果も考慮しながら,遺伝的リスクがある乳がん女性のセルフ・トランセンデンスを促進する支援モデル(案)の作成を行い,介入研究へと繋げていくための準備を行う予定である.
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Causes of Carryover |
データ分析を分析対象者ごとに変更したことにより,支援モデルをもとにした介入研究まで至らなかったため,次年度に使用額を持ち越した. 次年度は,専門家会議を行い,支援モデルを精選すること,海外学会発表のための旅費として次年度に使用する.
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Research Products
(1 results)