2018 Fiscal Year Research-status Report
乳がん・婦人科がん術後リンパ浮腫治療に用いる弾性着衣装着に関する検証と臨床応用
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18K10277
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
城丸 瑞恵 札幌医科大学, 保健医療学部, 教授 (90300053)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
仙石 泰仁 札幌医科大学, 保健医療学部, 教授 (10248669)
仲田 みぎわ 札幌医科大学, 保健医療学部, 講師 (50241386)
伊藤 武彦 和光大学, 現代人間学部, 教授 (60176344)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 乳がん / 婦人科がん / 手術 / リンパ浮腫 / 弾性着衣 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、今後も増加が予測されるリンパ浮腫患者の苦痛・負担を軽減する効果的な弾性着衣の臨床応用に向けて、乳がん・婦人科がん術後リンパ浮腫患者から弾性着衣に関する主観的情報、および筋電図・動作分析などを用いた客観的情報を得て、多職種チームで効果的な装着方法について検証することを目的としている。2018年度は当初の予定度通り倫理委員会申請に向けて準備をすすめ、現在は承認通知を待っている状況である。 倫理委員会の申請書類の参考にするため以下の内容を検討・実施した。まず、乳がんで手術をした患者の退院支援にかかわる看護師に調査を行い、リンパ浮腫に関する退院支援実施状況を明らかにした。この結果、退院支援の項目の中でリンパ浮腫に対する知識と実施が、他の項目より低いことが明らかになり、看護師に対してもリンパ浮腫や弾性着衣に関連した情報提供の必要性が示唆された。なお、現在、この結果に関して投稿中である。次に、1名の婦人科がんで手術を受けた対象者に協力いただき、弾性ストッキングを着脱する際の動作分析を実施した。その結果、市販のストッキングでは橈尺手根屈筋で持続的な活動が観察された。また、弾性ストッキングでは常に100%MVCを超える活動量が持続的に確認され、弾性ストッキング着脱の際の痛みの増悪に関与する可能性が明らかになった。これらの知見は、学術集会にて発表を行った。さらに、乳がん・婦人科がん患者に対するリンパ浮腫による日常生活動作の測定項目の検討を実施した。 次年度は、倫理委員会の承認後、乳がん・婦人科がん患者各3名にプレ調査を実施する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2018年度は、倫理委員会の承認後に乳がん・婦人科がん患者、各3名に予備調査の実施予定であった。倫理委員会申請までの準備に時間を要したため、予定通り調査ができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
2019年度は、倫理委員会の承認後に乳がん・婦人科がん各3名に予備調査を実施する。また予備調査の結果をもとに、乳がん・婦人科がん各30名に「手術後リンパ浮腫の実態と弾性着衣による心身の影響」について質問紙調査を実施する。この結果は学会発表および投稿する予定である。2020年度は、質問紙調査の結果を基にして、乳がん・婦人科がん患者各15名に本調査を実施する。ここでは弾性着衣の着脱時の動作分析が主となり、適宜学会発表・論文投稿を実施する。さらに2020年度は申請の最後の年になるため研究の総括を実施する。
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Causes of Carryover |
2018年度は、乳がん・婦人科がん患者各3名に面接調査を実施予定であり、謝金と交通費を計上していた。また乳がん・婦人科がんがん患者各30名に郵送調査を実施予定であったため、通信費を計上していた。当初の予定より倫理委員会の承認を得るのが遅くなったため、上記の調査が実施できず、次年度使用額135563円が生じた。
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Research Products
(1 results)