2018 Fiscal Year Research-status Report
患者参画による心不全患者と家族のQOL向上をめざしたナラティブ教材の作成
Project/Area Number |
18K10308
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
射場 典子 山梨大学, 大学院総合研究部, 医学研究員 (00258980)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
谷口 珠実 山梨大学, 大学院総合研究部, 准教授 (10258981)
隈本 邦彦 江戸川大学, メディアコミュニケーション学部, 教授 (20422016)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 患者の語り / 心不全 / ナラティブ教材 / インタビュー / 質的研究 / データベース |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、英国オクスフォード大学のHealth Experiences Research Group(HERG)が開発した方法論を用いて、心不全患者とその家族(または遺族)にビデオインタビューを行い、心不全の語りデータベースを作成し、心不全を患うという経験を当事者の視点から明らかにし、その結果をふまえて、患者・家族支援に用いるナラティブ教材を作成することである。 今年度は、インタビューの本調査に備えて、まず他国で構築されているデータベースについて調査した。現在、同様の方法論でデータベースを公開しているのは英国のhealthtalkのみで、カナダが助成を申請中であった。英国のHealthtalkで公開されている心臓病ならびに循環器疾患に関するデータベースには、心臓や心臓の血管に影響を与えるさまざまな状態が含まれ、心房細動、心臓発作、心不全、先天性心疾患の子供の両親、認識できない心臓弁膜症のスクリーニングの5つのモジュールが公開されており、6つ目の高血圧が公開準備中であった。さらに、英国の心不全に関するインタビューガイドを入手し、本調査に向けてインタビューガイドの見直しを行った。 次に、既存の心不全患者のインタビューデータ(4名分)の分析を行った。その結果、4名においても心不全の経験に個別性があり、特有の症状の表現や年齢による病気の受け止めの違いが見られた。今後、重症度、年齢、心不全の原因、社会的背景等のできるだけ多様な対象にインタビューを実施する必要性が示唆された。 また、既存の患者の語りの映像を使った教材の活用に関する検討を行い、ナラティブ教材作成・活用に関する知見を得た。現在、本調査の倫理審査中であり、次年度は本調査を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究は患者の体験談を映像で公開するという個人情報ならびにプライバシーの保護等の倫理的配慮について慎重な検討が必要であり、倫理審査の準備に時間を要したため、リクルートやインタビュー本調査を開始する準備が平成30年度中に整わなかった。そのため、当初の計画より若干遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
倫理審査終了後、心不全や心疾患の患者会で、研究対象者の募集について告知するとともに、ディペックス・ジャパンのウェブサイトやメディアを通して、広く研究対象者の募集を行い、速やかにインタビューを開始する。令和元年度は15名を目標にインタビューを行う予定である。
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Causes of Carryover |
平成30年度に行う予定だったインタビュー調査を令和元年度に実施するため、次年度使用額が生じた。次年度の計画としては、15名分のビデオインタビューの旅費、インタビュー協力者への謝礼、音声データの文字起こし費用、データ整理のための人件費などに加え、リクルートやデータ分析に関する助言を得るためのアドバイザリー委員会開催費用、情報収集ならびに研究成果報告のための学会参加費用に使用する予定である。
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Research Products
(4 results)