2020 Fiscal Year Research-status Report
患者参画による心不全患者と家族のQOL向上をめざしたナラティブ教材の作成
Project/Area Number |
18K10308
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
射場 典子 山梨大学, 大学院総合研究部, 医学研究員 (00258980)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
谷口 珠実 山梨大学, 大学院総合研究部, 教授 (10258981)
隈本 邦彦 江戸川大学, メディアコミュニケーション学部, 教授 (20422016)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 心不全 / 語り / 体験談 / ナラティブ / 教材 / データベース |
Outline of Annual Research Achievements |
2020年度は、①データ収集方法の検討、②リクルートの実施、③データ収集の実施、④データ分析を実施した。 まずコロナ禍におけるデータ収集方法の見直しを行った。本研究において、心不全患者とその家族の体験談を聞き取るために対面のインタビューを計画し、2019年度までに20名のインタビューを終了した。しかし、心不全患者は重症化の高リスク群であり、感染リスクのある対面インタビューを一時停止した。代替の方法として、リモートインタビュー方法の検討を行った。インタビューでは映像・音声を収録するため、内容に個人情報が含まれる。そのため安全にデータの取り扱いが行えること、インタビュー中のプライバシーが確保できることを重視した。またリモートでのラポール形成、通信不良時の対応等についても検討した。検討にあたっては、国際学会で海外の実施事例の情報や助言を得て、一定の方法論を確立し、インタビュー方法の変更に関する倫理審査を受けた。 対象者のリクルートは、前年度に引き続き、ウェブサイト上の告知、クリニックや患者会でリーフレットを使った広報を中心に行ったが、リモートでのオンラインインタビューとなると、対応可能な世代でネット環境や機材を持っている人に限られ、対象者に偏りが出る可能性があった。そのため、感染状況が改善した時期のみ感染防御に配慮して対面インタビューの対象者も並行してリクルートを継続した。 その結果、5名の心不全患者と1名の心不全患者の家族にインタビューを実施した(うちリモートインタビュー3名、対面インタビュー3名)。男性3名、女性3名、先天性心疾患2名、弁膜症1名、虚血性心疾患1名、その他1名、全員が薬物療法を受けており、加えて食事制限など何らかの生活調整を行いながら療養していた。 インタビューデータはすべて文字起こしを行い、対象者の確認を得たのち、横断的なコーディングを行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナ禍において、感染リスクを鑑み、インタビュー方法の変更が必要となった。安全にリモートでのインタビューを行うために検討が必要だった。また、感染拡大中は対象者のリクルートが困難である。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度は、リモートインタビューが中心となるが、目標の35名に近い人数のインタビューを終えて、横断的な質的分析を行い、ナラティブ教材の作成を行う。対象者の偏りについては、追加研究の中で再度多様性を検討し、インタビュー対象者を広げて対面インタビューを実施することとしたい。
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Causes of Carryover |
コロナ禍における対面インタビューの実施が困難となり、研究方法の変更が必要となったため、研究の遂行に遅れが生じた。次年度に繰り越して、リモートインタビューを取り入れてデータ収集を行い、当初の研究計画を継続・完了する予定である。
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Research Products
(1 results)