2018 Fiscal Year Research-status Report
経口抗がん剤治療を行う就労がん患者の服薬アドヒアランス支援プログラムの開発
| Project/Area Number |
18K10336
|
|---|
| Research Institution | University of Occupational and Environmental Health, Japan |
|---|
Principal Investigator |
永松 有紀 産業医科大学, 産業保健学部, 准教授 (20389472)
|
|---|
| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木下 由美子 九州大学, 医学研究院, 講師 (30432925)
豊福 佳代 産業医科大学, 産業保健学部, 助教 (50737195)
佐藤 実 産業医科大学, 産業保健学部, 教授 (90162487)
竹山 ゆみ子 宮崎大学, 医学部, 講師 (90369075)
|
|---|
| Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
|
| Keywords | 経口抗がん剤 / 化学療法 / がん患者 / 就労支援 / 服薬アドヒアランス |
|---|
| Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、経口抗がん剤治療を行う就労がん患者の服薬アドヒアランス支援プログラムを開発し、その介入効果を検証することである。平成30年度は研究の第1段階として、就労中のがん患者に対する医療者の服薬アドヒアランスの支援状況について明らかにすることを目的として進めた。
１）申請者らがH26-28年度に実施した術後補助化学療法中の大腸がん患者を対象とした縦断調査時の就労に関して語られた質的データを分析した。結果として、治療期間中の就労中の患者の経験として、体調に合わせて就労形態を変更する、趣味や外出を控えるなどの「治療を基準として就労や生活をあわせる」、薬の時間が生活の中心となってしまうなどの「薬を飲むことの煩わしさ」、薬代による経済的な圧迫感を感じるなどの「治療にかかる費用への負担感」があることが明らかになった。
２）治療と就労の両立支援の現状に関する情報収集を行うために、日本職業災害学会（和歌山）、日本がん看護学会学術集会（福岡）に参加した。産業保健スタッフの常駐の有無や事業所の規模により両立支援の内容に差が生じていること、2018年度の診療報酬改定で「療養・就労両立支援指導料」が導入され、事業場における両立支援の枠組みは整いつあること、治療施設における就労継続への支援は実践例が集積されている段階にあるとの知見を得た。また、治療施設で就労支援に携わる両立支援コーディネーターの実践例から、治療施設の看護師が担う就労支援における役割について示唆を得ることができた。これらの情報は支援プログラムの作成に向けた検討資料とする。
|
| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
理由としては、治療と就労の両立支援の現状についての情報収集に時間を要したことである。平成30年度末に協力施設の倫理委員会への申請を終了することはできたが、当初予定していた2県での医療者（医師、看護師、薬剤師）を対象とする面接調査の実施に至らなかった。
|
| Strategy for Future Research Activity |
倫理申請が平成30年度末となったため、倫理申請で許可を得て2019年度前半に2県での医療者（医師、看護師、薬剤師）を対象とする就労中の患者の服薬アドヒアランスに関する支援の実態を明らかにすることを目的とした面接調査を実施する。調査結果は分担者とともに質的帰納的に分析し、支援プログラムに組み込む要素を抽出する。並行して、支援プログラムで使用予定である経口抗がん剤治療中の患者への教育ツールのMASCCTM Oral Agent Teaching Tool (MOATT)V1.0が V1.2へとアップデート中であるため、翻訳版が完成され次第、使用申請を行う。
|
| Causes of Carryover |
研究計画の進行が遅れたため、面接調査の具体的な日時の調整、データ収集で必要となる予定であった出張費が使用できなかった。2019年度は2県の複数の施設で面接調査を実施する予定であるため、参加者への謝品、研究分担者も含めた旅費、消耗物品、面接で得た音声データの逐語作成費用が必要となる。併せて、データ分析も研究分担者とともに行う予定であるため、打ち合わせにかかる交通費が必要となる。2019年以降も学会発表の予定があるためそれに充当する。
|
Research Products
(1 results)
