2018 Fiscal Year Research-status Report
Nurses' perception of restraint use in psychiatric inpatients wards
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18K10357
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Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
半澤 節子 自治医科大学, 看護学部, 教授 (50325677)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石井 慎一郎 自治医科大学, 看護学部, 講師 (80724997)
永井 優子 自治医科大学, 看護学部, 教授 (40237491)
宮城 純子 帝京科学大学, 医療科学部, 教授 (60433893)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 身体的拘束 / 精神科 / 看護師 / 認知行動様式 / モラル |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、精神科看護師(准看護師を含む)を対象として、統合失調症の仮想事例に対する身体的拘束に対する臨床判断について評価し、臨床現場に形成されたモラル、職場環境などとの関連を検討し、我が国の精神科看護師に認知行動様式に影響を及ぼす要因の解明を試み、精神科医療施設内外の新たな支援モデルを見出すことである。 研究期間の初年度である本年度は、研究計画の第一段階として、精神科看護師を対象に実施した先行研究(隔離に対する臨床判断と精神科臨床現場のモラル)の調査結果の報告として、調査対象機関に訪問し、看護管理者および専門看護師に結果の詳細な報告を行った。併せて、身体的拘束に関する調査研究に関する協力の依頼、内諾を得、調査票に使用する事例を実践現場によくある内容にするためのブラッシュアップについて協力をいただくことを確認した。 関連学会への研究発表については、先行研究(隔離に対する臨床判断と精神科臨床現場のモラル)の結果の一部について、第38回日本社会精神医学会(2019.2.28-3.1)において研究分担者の石井がポスター発表を行った。主な内容は、統合失調症仮想事例(初回入院、20代男性、暴言がみられる)に対し必要な隔離期間として、3日間(10.0%)、7日間(12.3%)、1か月間(28.8%)、3か月間(27.1%)という結果が得られ、倫理的問題として、「病状が安定して日常生活に支障がない患者が入院し続けても何もできない」という「事実がある」と回答した人は回答者全体のおよそ8割で、「人員配置が不足しているため不適切なケアになる」という「事実がある」と回答した人は66%であった。こうした結果から、隔離解除の提案における看護職の主体性の乏しさ、精神科特例による看護配置の乏しさが背景にある可能性が推察された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
また、身体的拘束に関する調査票の作成については、先行文献を踏まえていくつか調査項目を追加する方向で検討を進めており、調査協力機関については、隔離に引き続き調査協力が得られるところ、新たに調査協力を受けていただけるところの両者に対し連絡調整を進めることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
精神科看護職が多く所属する学会において、演題発表を予定している。すでに報告したデータ数にさらにデータが追加されたため、それらを含めたデータの解析を加えて、看護職の現任教育や組織運営体制、病床数に対する看護職の配置数の違いなどの影響について解析した内容を発表する。また、身体的拘束に関する調査票を完成させ、研究協力機関に対して、自記式質問紙調査の依頼を進めていく。
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Causes of Carryover |
研究分担者の支出が予定よりも少なくなったために、このような残額が生じたと考えられる。翌年度分として請求した助成金と合わせた使用計画として、当該研究分担者が連絡調整する予定の研究協力施設との事前調整、調査の実施を進めることで、支出を計画している。
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