2020 Fiscal Year Research-status Report
クローン病患者の生物学的治療選択を支援するディシジョン・エイドの開発
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18K10372
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Research Institution | Mukogawa Women's University |
Principal Investigator |
布谷 麻耶 (吹田麻耶) 武庫川女子大学, 看護学部, 教授 (70514735)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中山 和弘 聖路加国際大学, 大学院看護学研究科, 教授 (50222170)
石橋 千夏 奈良県立医科大学, 医学部, 講師 (30564976)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | クローン病 / ディシジョン・エイド / 生物学的治療 / 意思決定 / Shared decision making |
Outline of Annual Research Achievements |
2020年度はまず、第一段階のクローン病患者の診療に携わる消化器専門医の治療選択の意思決定に関する認識とその影響要因を検討する調査結果をまとめ、論文として発表した。 また、第一段階の調査結果と先行研究の知見を踏まえ、オタワ意思決定支援フレームワークを理論的枠組みとした、クローン病患者の生物学的治療選択を支援するディシジョン・エイド原案を作成した。続いて第二段階の調査として、作成したディシジョン・エイド原案を評価するために、実際に生物学的治療選択の意思決定を経験したクローン病患者と医療者(クローン病の治療専門施設で5年以上勤務する消化器内科医と看護師)による有用性と妥当性、実行可能性のチェックを受けた。患者、医療者とも同意が得られた参加者22名(患者16名、消化器内科医2名、看護師4名)に対して、質問紙調査を行い、ディシジョン・エイド原案について、参加者がこれまで行ってきた治療選択の意思決定の実際と照らし合わせ、患者のニーズに適した内容であるか(妥当性)、役立つ内容であるか(有用性)という観点から参加者に回答を求めた。また、実行可能性についてはエイド原案の頁数や文字数、文字の大きさ、レイアウト、記載内容等について評価を求めた。 現在、第二段階の調査で得られたデータを分析するとともに、エイド原案に含めた生物学的製剤に関する最新の研究知見を文献から収集し整理している。それらの結果に基づき、ディジョン・エイド原案に修正を加え、確定する計画である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通り、第二段階のクローン病患者の生物学的治療選択を支援するディシジョン・エイド原案の作成と評価のための調査まで実施することができたため、研究はおおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、第二段階の調査で得られた回答データを分析し、結果をまとめる。さらに、その調査結果およびディシジョン・エイドに治療の選択肢として含めた生物学的治療薬に関する最新の文献レビューを行い、ディシジョン・エイド原案を見直し、必要に応じて修正を加えていく計画である。
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Causes of Carryover |
これまでの研究成果について発表する予定であった学会がオンラインでの開催となったため、その分の旅費が未使用となった。また、昨年度同様、研究分担者や研究協力者との検討も新型コロナウイルス感染症の拡大により対面での会議を開くことが困難であったため、その分の旅費や会議室使用料を使用せず、メールでの会議を行った。未使用額については、次年度に論文投稿で必要となる英文校正費、成果発表を行う学会参加費、ディシジョン・エイドの印刷製本費として使用する計画である。
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