2022 Fiscal Year Research-status Report
産後うつ予防システム確立に向けたバイオマーカーとしてのオキシトシンの有用性
Project/Area Number |
18K10377
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Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
川野 亜津子 自治医科大学, 看護学部, 教授 (10550733)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金澤 悠喜 筑波大学, 医学医療系, 助教 (80812833)
岡山 久代 筑波大学, 医学医療系, 教授 (90335050) [Withdrawn]
川野 道宏 佐久大学, 看護学部, 教授 (00404905)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 産後うつ / オキシトシン / カテコラミン / バイオマーカー / 周産期メンタルヘルス |
Outline of Annual Research Achievements |
周産期のメンタルヘルスについて、カテコラミンなどの神経伝達物質、コルチゾール、オキシトシンなどを指標とする国内外の文献レビューを踏まえ、妊娠期、産褥期の女性を対象として調査を実施した。心理状態への反映が明らかとされている,かつオキシトシンとの関連も深い唾液中コルチゾールを測定し、出産満足度や母子愛着、子育てのしやすさ、子育てへの自信や不安感といった産後鬱との関連が指摘されている要因との関連を検討し、コルチゾール値が現在の心理状態のみならず産後鬱のハイリスクを抽出する一つの手段になりうることが示唆されたことから,産後1か月における女性の唾液中コルチゾールの測定は、現時点で産後鬱を発症していない,産後鬱を発症する可能性の高い女性をスクリーニングできる一つの方法となりうることが明らかとなった。しかし、唾液中コルチゾール値が心理状態以外の身体的要因等にも反映することを考慮する必要があり、交絡要因についてさらに慎重に検討を重ねるべきであることが課題として残った。また,妊娠期から産褥期における縦断調査においては,妊娠期のストレスバイオマーカー値により、産後鬱を予測できる可能性があることが示唆された。妊娠期から産褥期において,女性の心理状態の特徴は変化しており,時期妥当な試料の項目、採取方法、分析および主観的指標として妥当な心理尺度、調査時期について更なる課題を検討し、今年度は産褥期の女性を対象とするオキシトシンを指標とした検討を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
オキシトシンを指標とした検討に進むにあたり、試料の採取方法、分析および主観的指標として妥当な心理尺度、調査時期について更なる課題について検討に時間を要した。
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Strategy for Future Research Activity |
初年度に行ったセロトニン,ドーパミン,ノルアドレナリンを指標とした調査結果や先行研究のシステマティックレビューをもとに,オキシトシンを指標とした調査の実施,分析まで進める予定である。
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Causes of Carryover |
次年度において本調査を実施するための経費として、検体採取にかかる物品や分析測定、心理測定のための尺度購入費、データ処理、学会発表等に使用する計画である。
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Research Products
(6 results)