2021 Fiscal Year Research-status Report
侵襲性新生児GBS感染症予防のための母児感染予防対策とケアの開発
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18K10391
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
脇本 寛子 名古屋市立大学, 大学院看護学研究科, 教授 (40336706)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
矢野 久子 名古屋市立大学, 大学院看護学研究科, 教授 (00230285)
長谷川 忠男 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 教授 (10314014)
佐藤 剛 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 准教授 (80326149)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 看護学 / 感染症 / 母子感染予防 / GBS / 薬剤感受性 / 血清型 / CovR/S / MLST型 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,新生児GBS感染症予防のために,新生児GBS感染症の発症要因を明らかにすることおよび新生児敗血症髄膜炎発症GBS株と非発症GBS株の微生物学的な異同を明らかにすること(第一研究),GBS保菌妊産褥婦への予防対策とケアを明らかにすること(第二研究)を目的としている. 今年度は,第一研究を優先して実施した.第一研究は,多施設における早発型GBS感染症および遅発型GBS感染症の発症状況と発症頻度を明らかにすることを継続して実施した.細菌学的解析は,血清型,薬剤感受性,MLST型,CovR/S変異を解析した.今年度は,新生児GBS感染症5症例(早発型0例,遅発型5例:確定例5例,疑い例0例)の情報収集を行い,研究対象者から検出されたGBS菌株7株を収集した.薬剤感受性は,penicillin系抗菌薬に耐性を示した株はなく,AZM,EM,CLDM,LVFXの薬剤に耐性を示した菌株もなかった.血清型はIa型3株,III型3株,IV型1株であった.現在までに得られた49株において,型別は抗血清法に追加してPCR法による型別を行い,型別を確定した.今年度の特筆すべき成果として,発症例は全て遅発型の確定例であったことである.全妊婦にスクリーニングを実施し,分娩時にGBS保菌妊婦にpenicillin系抗菌薬を予防投与することは,早発型GBS感染症予防に有用であるが,遅発型の予防には至っていない.遅発型GBS感染症の発症要因を詳細に検討しているところである.また,今年度,一昨年度と複数の施設でIV型のGBSが検出され,発症状況と細菌学的解析を併せて解析しているところである.第二研究は,新生児GBS感染症予防のためのGBS保菌妊産褥婦へのケアについて明らかにし,今後の方策について方向性を決定し,準備を進めた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
第一研究では,早発型GBS感染症および遅発型GBS感染症の発症例の収集は継続できており,細菌学的解析を優先して実施し,今年度の出来る限りの進行はできた. 第二研究では,新生児GBS感染症予防のための今後の方策は決定でき,準備を進めたが,COVID-19の影響により,実施には至らなかったため本年度までの達成度は,やや遅れていると判断した.
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Strategy for Future Research Activity |
第一研究は,菌株由来と血清型,薬剤感受性,MLST型,発症状況との関連を明らかにし,論文を投稿する.発症率を明らかにするために各施設の出生数などの施設の情報収集を行い,発症状況および発症頻度を明らかにし,論文を投稿する.今年度の特筆すべき成果として,発症例は全て遅発型の確定例であったことである.全妊婦にスクリーニングを実施し,分娩時にGBS保菌妊婦にpenicillin系抗菌薬を予防投与することにより,早発型GBS感染症予防に有用であった.一方,遅発型GBS感染症の発症予防には至っておらず,発症要因を詳細に検討する.また,今年度と一昨年度と続けて確定例から複数の施設においてIV型のGBSが検出されている.発症例でのIV型の発現頻度は低いので要因を検討する.第二研究は,現在までに得られた成果を論文として公表する.第一研究,第二研究の結果を統合し,新生児GBS感染症予防対策とケアを明らかにする.
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Causes of Carryover |
第一研究,第二研究共に,現在出来る限りの研究進行はできたが,COVID-19の影響により当初計画より遅延・変更が生じたため,補助事業期間延長を行い,次年度使用金が生じた.第一研究の細菌学的解析は,試薬を効率的に使用するため,一部の解析を次年度に実施することとした.次年度は,学術集会参加費,研究成果論文投稿料に使用する予定である.
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Research Products
(2 results)