2019 Fiscal Year Research-status Report
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18K10404
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Research Institution | St. Luke's International University |
Principal Investigator |
青木 美紀子 聖路加国際大学, 大学院看護学研究科, 准教授 (30434187)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 色覚異常 / 色覚特性 / 色覚検査 / 遺伝カウンセリング / X連鎖劣性遺伝 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は①色覚特性に関わる人々(養護教諭や当事者・当事者の家族)の実態をインタビューおよび質問紙から明らかにし、②色覚特性に関する教育プロ グラムを開発し、③介入研究により教育プログラムの効果を評価することである。色覚特性は遺伝形質であり、色覚の特性の遺伝形式および症状は様々であるが、日本人の大部分は「先天赤緑異常」(X連鎖劣性遺伝形式)である。父親が原因遺伝子を有する場合、娘は正常色覚だが「保因者」となる。母親が保因者の場合、息子が「先天赤緑異常」となる確率は50%である。つまり「先天赤緑異常」の男性の母親は保因者である。 この特性により学校や日常生活において不便を感じる可能性もあるが、色以外の情報付加など様々な工夫が色のバリアフリーにつながる。かつては学校保健において色覚検査が一斉に実施されていたが、2003年度には廃止、そして2016年度に検査再開と対応が変遷した。色覚特性は男性の20人に1人に現れる頻度が多い特性だが、色覚特性に対する学校保健や医療機関の対応、また当事者を対象とした研究は極めて少ない 2019年度は色覚特性に関する医療分野の取り組み、遺伝医療に関する状況を文献やインタビューからまとめるとともに、色覚特性を含む看護教育の実践についてまとめた。また当事者や家族を対象としたインタビューを準備していたが、COVID-19の影響により対面によるインタビューが困難となったためオンライン等を活用するなど何らかの対策を今後検討する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
文献や臨床遺伝専門医へのインタビューなどを論文化(投稿中を含む)することはでき、色覚特性に関する背景や現状を系統的に理解する上での一助を得ることができたが、予定していた当事者・保護者へのインタビューなどを実施することができなかったため今年度は遂行したい。ただしCOVID-19 の影響を鑑みて、オンラインを活用するなど新たな方法も検討する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
2020年度は、保護者や当事者が活用できるガイドブック案などを作成し、関係者からフィードバックを得る。
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Causes of Carryover |
2018年度の研究計画が遅延したため、予定していた金額を使用しなかった。2020年度に計画遂行および支出予定である。
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Research Products
(2 results)