2018 Fiscal Year Research-status Report
長期フォローアップ外来における小児がん経験者の卵巣ならびに性機能の解析
Project/Area Number |
18K10421
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
清川 加奈子 京都大学, 医学研究科, 助教 (70432317)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菅沼 信彦 名古屋学芸大学, 看護学部, 教授 (30179113)
堀江 昭史 京都大学, 医学研究科, 講師 (30535836)
林 文子 愛知医科大学, 看護学部, 助教 (80782234)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
|
Keywords | 小児がん経験者 / 長期フォローアップ外来 / 卵巣機能 / CCS |
Outline of Annual Research Achievements |
京都大学医学部附属病院の小児科において1980年から現在までの間に、小児血液腫瘍・小児固形腫瘍で治療を受けた小児がん経験者(childhood cancer survivor:CCS)を全例スクリーニングしたところ、これまでに治療を受けたCCS女性は327例であり、そのうち、造血細胞移植を受けたのは72名であった。患者プロフィール(現在の年齢、発病時年齢、疾患名、再発の有無、他の合併症、等)とともに、施行された治療と期間については、できる限り詳細に(化学療法の内容や放射線療法の有無・照射部位と量、造血細胞移植の有無と内容など)調査している。加えて、継続受診の有無、定期的な月経の有無やFSH、LH、エストラジオール、プロゲステロンなどの一般女性ホルモン測定値などについて調査を進めてきた。 また、2014年6月までに小児がん長期フォローアップ外来(小児科・婦人科)を1回でも受診したことのあるCCS女性患者は81名であったことが明らかとなったため、現在は、未受診である246名の女性患者の生死や健康状態についてリストアップしている。246名の未受診者のうち、生存が確認されたCCS女性については、受診を促す文書を送る予定である。 研究代表者と分担研究者は、京都大学医学部附属病院の小児血液・がん患者長期フォローアップ外来の婦人科診療に携わり、定期的な症例及び研究検討会を開催し、看護的ケアのあり方について検討している。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
京都大学医学部附属病院で1980年~現在まで、小児がんで治療を受けた女性患者を全例スクリーニングしている。治療を受けた女性患者は327例であり、2014年6月までに小児がん長期フォローアップ外来(小児科・婦人科)を1回でも受診したことのある女性患者は81名であった。現在京都大学病院の診療システムは電子化されているが、旧カルテは紙ベースであり、その記録が不十分な部分も見られる。また未受診である246名の女性患者においては、その生死や健康状態を調査するためには、個々の問い合わせが必要となるが、転居等により連絡が困難な場合も多い。患者のリストアップならびに連絡先確認作業に時間を要するため、進捗がやや遅れている。
|
Strategy for Future Research Activity |
今後は前年度に引き続き、①京都大学医学部附属病院で各種治療を受けたすべてのCCSのデータに関して、カルテから全例スクリーニング調査する。②患者プロフィール(現在の年齢、発病時年齢、疾患名、施行された治療と期間、再発の有無、他の合併症、等)とともに、卵巣機能(月経の有無、周期、基礎体温による排卵の有無、等)を自記式アンケート調査票にて調査する。受診者には外来にて、未受診者には郵送にて配布する。現在、長期フォローアップ外来婦人科受診中のAOF患者のみならず、すべてのCCS女性に対し受診を促す文書を送付する。③受診者においては、卵巣機能・妊孕能に関連する各種ホルモンを経時的に年1~2回測定する。可能な場合には婦人科的診察を行う。
|
Causes of Carryover |
平成30年度に当該患者の全員のスクリーニングを行い、長期フォローアップ外来への未受診者には、受診を促す文書を作成して郵送する予定であったが、全例スクリーニングに時間を要したため、経費と計上した項目に余剰が生じた。 そのため、この未使用額は今年度計画した内容の経費として次年度に使用する予定である。
|