2019 Fiscal Year Research-status Report
臨床現場と教育機関の融合に基づく新人助産師教育プログラムの構築にむけた基礎的研究
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18K10442
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Research Institution | Iwate Medical University |
Principal Investigator |
蛎崎 奈津子 岩手医科大学, 看護学部, 教授 (80322337)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 洋子 岩手医科大学, 看護学部, 助手 (30805411)
遊田 由希子 (藤村) 岩手医科大学, 看護学部, 講師 (90336438)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 助産師教育 / フォーカス・グループ・インタビュー / 助産実践能力 |
Outline of Annual Research Achievements |
医療施設と教育機関の融合による教育プログラムの作案を見据え、2019年度は新人助産師教育の現状と課題について、6医療施設(実地指導を担う助産師17名)を対象としたフォーカス・グループ・インタビュー法にて調査した。 新人助産師の教育にあたっては、新人1名に対し1名の教育担当者と、その担当者の相談・指導役にあたる指導者を中心に、チーム内で情報共有をこまめに行いながら病棟全体で育てていく体制が整えられていた。入職する新人助産師は1~2名であり、院内の新人看護師教育と連動した年間教育計画をもとに教育を展開していた。産科病棟のみでは達成困難な看護技術(挿管や呼吸器管理、ICUや手術室での看護実践等)については、他部署と連携した研修システムを利用していた。新人助産師への日々の指導にあたっては、肯定的ストロークを駆使した関わりを常に心がけていた。「明確に言葉で伝えないと気がつかない」など新人助産師の共通する特性を把握しているものの、「助言を『怒られた』ととらえることで気分が落ち込み、技術等の改善につなげることが難しい」等の経験から、新人のモチベーションやメンタルヘルスの状態に細心の注意を払いながら、指導したい内容の一部を取捨選択しながら伝えていた。指導にあたる人材不足と安全性の確保が優先されることにより経験できる事例が制限される現状も加わり、新人助産師の各時期における到達進度は遅れることが多く、近年では2~3年かけて育てるという方針となっていた。この他、理解度の低い者や助産観の育ちが不十分な新人等、技術習得の前提部分に課題を抱えた新人への対応については、大きな迷いをもちながら試行錯誤している現状がみられた。 今後はより詳細な分析を進めながら、医療施設と教育機関の融合による地域特性や各医療機関の実情に合わせた教育プログラムの作案を検討する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2019年度は前年に実施した北海道・東北地方における分娩取扱医療施設を対象とした新人助産師教育に関する実態調査結果をふまえ、東北地方のA県内における新人助産師教育のより詳細把握に関するフォーカス・グループ・インタビュー調査を実施した。また、教育機関と融合した新人助産師教育プログラムの作案に向け、学会参加(web開催含む)や文献等からの情報収集を進めることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
2020年度は、フォーカス・グループ・インタビュー調査にて把握した新人助産師教育の現状と課題をふまえ、医療施設と教育機関の融合による地域特性や各医療機関の実情に合わせた教育プログラムの作案を進める。その際には今般の新型コロナウイルス感染症蔓延防止に係る現状をふまえた上で、実現可能性を常に見据えた研究遂行となるよう、計画を見直しながら進めることとする。
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Causes of Carryover |
フォーカス・グループ・インタビュー調査の分析が継続中であり、人件費が発生しなかった。加えて、参加予定であった学会がweb開催となり、国内旅費の一部について支出が発生しなかった。そのため、当初の予定額との差額が生じた。この残額は2020年度に実施予定の分析の継続に係る人件費ならびに成果発表や情報収集にむけた各種学会参加に係る旅費等で支出する。
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Research Products
(2 results)