2021 Fiscal Year Research-status Report
臨床現場と教育機関の融合に基づく新人助産師教育プログラムの構築にむけた基礎的研究
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18K10442
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Research Institution | Iwate Medical University |
Principal Investigator |
蛎崎 奈津子 岩手医科大学, 看護学部, 教授 (80322337)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 洋子 岩手医科大学, 看護学部, 助教 (30805411)
遊田 由希子 (藤村由希子) 岩手医科大学, 看護学部, 特任准教授 (90336438)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 新人助産師教育 / 臨床現場と教育機関の融合 / 助産実践能力 |
Outline of Annual Research Achievements |
2021年度はこれまで実施した3調査による知見をまず整理した。新人助産師教育の現状として体制は整備されている一方で、「実践能力と求められる能力との乖離」および少子化や産科病棟の混合化等による「助産業務の経験の限定化」に関連する課題が多く、これは新人助産師を対象とした調査でも把握された。これにより新人助産師は自身の実践能力と求められる能力の差の大きさを痛感し、モチベーションを保ちにくい現状となっていた。他方、各医療機関で試行錯誤している新人助産師教育の実践例や知見を地域内で共有する機会は限定的であり、教育のバージョンアップにつながりにくかった。加えて若者の特性理解とその対応として教育機関の知見を共有するなど、臨床現場と教育機関の融合により新人助産師教育を推進する方策の有用性が確認された。 そこで2021年度は、新人の特性理解と教育のあり方を学ぶ機会として講演会を開催した(「新人の特性をふまえた効果的な教育方法」京都大学 内藤知佐子氏)。加えて、①新人助産師教育の現状、②6医療機関における新人助産師教育の実践、③助産師学生への教育を柱とした「新人助産師ガイドブック」の作成に取り組んだ。さらにその有用性の評価として、教育(指導)に携わる助産師等を対象とした調査を実施した。その結果、8割以上が内容に興味をもったものの、約半数のみが「すぐに取り入れられそうな内容があった」との回答にとどまった。一方、「他施設の取り組みをもっと知りたい」(66.2%)、「組織として今後の新人教育を考える際に役だちそう」(56.3%)、「主体性を高める教育が参考になった」(42.3%)と感じており、各施設における新人助産師教育の再考の一助となった。 今後は新人助産師教育を受ける立場(助産学生)からガイドブック有用性の評価を行い、臨床現場と教育機関の融合により、新人助産師教育を推進する方策について総括する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
新型コロナウィルス感染症蔓延の影響により、特に2019年度後半より予定していた計画が遅延した影響で、2021年度の計画のうち、残り1調査のみ遅れた。今後は早急に調査計画を精錬し、調査の実施と分析を進めることとする。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は新人助産師教育を受ける立場(助産師学生)からガイドブック有用性の評価に関する調査を実施する。当該調査の分析結果をふまえ、臨床現場と教育機関の融合により、新人助産師教育を推進する方策について総括する。さらにこれまで実施した調査結果の公表も進めていく。
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Causes of Carryover |
新型コロナウィルス感染症蔓延の影響により、特に2019年度後半より予定していた計画が遅延した影響で、2021年度の計画のうち、残り1調査のみ遅れた。今後は新人助産師教育を受ける立場(助産学生)からガイドブック有用性の評価に関する調査実施を進める。またこれまでの調査結果の公表も次年度に実施する。調査実施ならびに調査結果公表に係る経費を計上する。
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Remarks |
・いわてで育てる新人助産師ガイドブック(蛎﨑奈津子、遊田由希子、山本洋子:2022年1月発刊)
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Research Products
(2 results)