2018 Fiscal Year Research-status Report
母親の児へのボンディングおよび養育行動におけるオキシトシンの役割解明
Project/Area Number |
18K10446
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
大田 康江 順天堂大学, 医療看護学部, 准教授 (80650134)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 真理 順天堂大学, 医療看護学研究科, 教授 (20216758)
中山 仁志 順天堂大学, 医療看護学部, 准教授 (70514933)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 母子関係 / オキシトシン / 養育行動 / 生理学的指標 / ボンディング |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、母親の児へのボンディングおよび養育行動とオキシトシンとの関連に注目して、産後うつ、ひいては児童虐待の素因となる産後の母親のボンディング障害を妊娠期においての予測可能性を探索し、母子関係の構築支援のエビデンスを検証することである。 平成30年度は、まずさらなる先行研究の文献検討を行った。その結果、オキシトシンの採取、測定および分析方法に関して検討し妥当性を検証する必要性が判明した。よって本研究における介入操作、測定方法および分析方法を確立すること目的に、初産婦、経産婦2名を対象にパイロットスタディを実施した。当初の計画通りのプロトコールで進めていく結論に至った。パイロットスタディの成果をThe International Marce Society for Perinatal Mental Health 2018 in Indiaにて発表した。またオキシトシン研究の第一人者であるシャスティン・ウブネス・モベリ氏の著書、オキシトシンと母子関係、人との関係性に関するThe Hormone of Closeness: The Role of Oxytocin in Relationships「オキシトシンがつくる絆社会: 安らぎと結びつきのホルモン」を翻訳し出版するとともに招聘し講演会を開催した。その際にシャスティン・ウブネス・モベリ氏よりプロトコールに関する助言を得た。また、所属施設の倫理審査委員会へ申請し、修正を行った上で承認を得た。調査予定の施設の倫理審査に向けて準備中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
調査予定の施設の倫理審査の手続き等に時間を要しているため。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度令和元年は、調査予定の倫理審査委員会の承認を得た後、研究協力者を募集し、同意が得られた対象者より調査を開始する。今年度から令和3年度前半は、妊娠初期(妊娠確定後~15週)、妊娠中期(16週~27週)、後期前半(28週~35週)後期後半の (36週以降)および産後1か月5時点において唾液サンプルの採取および質問紙調査(産後うつ・不安・愛着)にて縦断的にデータを収集する。唾液サンプルについてはオキシトシン濃度およびコルチゾール濃度をELISA法にて分析を行う。目標サンプル数100名に達し次第、質問紙と合わせた統計分析に着手していく。
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Causes of Carryover |
対象者への謝礼およびデータ測定分析のための試薬および測定機器等を平成30年度の経費として計上していたが、調査予定の倫理審査の承認が遅れており本調査へ進めなかったため次年度使用額が生じたためである。生じた次年度使用額は、ELISAキットおよび唾液サンプル収集のためのコットン、実験器具の購入にあてていく予定である。
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Research Products
(2 results)