2023 Fiscal Year Research-status Report
産褥期にある母親の自律神経機能の疲労度解析による授乳支援プログラムの開発
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18K10450
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Research Institution | Komazawa Women's University |
Principal Investigator |
那須野 順子 駒沢女子大学, 看護学部, 講師 (20513211)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高山 奈美 駒沢女子大学, 看護学部, 准教授 (00459132)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 授乳状況 / 疲労度 / 自律神経機能 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、産褥期にある母親の自律神経機能の疲労度解析による授乳支援プログラムの開発を目的とし、以下の3つの研究で構成している。研究Ⅰ:産後早期の母親の疲労度と母乳分泌量の関連を明らかにする。研究Ⅱ:産後早期の疲労度に合わせた授乳支援プログラムの作成を行う。研究Ⅲ:自律神経機能の疲労度解析による授乳支援プログラム介入を実施し、産褥早期の母親の疲労の視点から授乳支援プログラムの評価をする。 これまでは新型コロナウィルス感染症により病院施設での調査実施の中断が継続されていたが、当該年度は調査実施予定施設の新棟移転等による中断を余儀なくされた。これまでの本調査では、昼夜問わず行われている授乳の影響は産褥期にある母親の疲労を増大させている可能性があった。一方で、妊婦の自律神経活動(和泉ら,2022)や妊娠期から産褥期の自律神経活動の推移(和泉ら,2019)から、妊娠による生理的な変化に対する自律神経活動の変動が明らかになってきた。妊娠期には循環血液量の増大から副交感神経活動を抑制して心拍出量を維持しているが、産褥期には妊娠期には抑制されていた副交感神経活動が上昇し、1か月程度で心拍数が下降する結果であった。また母乳育児中の母親は、哺乳瓶で育児中の母親と比較し、交感神経活動が低下し、副交感神経が優位に高まることが明らかになっている(Elizabeth.S,2005)。 産褥早期は授乳に関するホルモン量が大きく変動し、痛みや不安・ストレスを強く感じるような環境下では、交感神経を優位にし、結果的に母乳分泌に負の影響を及ぼす。母親の状況に応じた個別性の高い授乳支援を行うためにも、産後の疲労を可視化し、心身ともにリラックスした授乳方法の支援とともに身体症状の緩和を兼ねた授乳支援についての検討を行う必要がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
新型コロナウィルス感染症の影響および内諾を得ている病院施設の新棟移転により調査実施見込みが立たない状況が続いていたため。
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Strategy for Future Research Activity |
調査実施予定病院での立ち会い分娩や面会制限等が緩和され、さらに新棟への移転等も済んだため、予定施設での調査実施を再開するための準備を行っている。実施時期は調整中だが、実施に向けて引き続き、準備を整えるとともに研究Ⅱの準備を進めている。
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Causes of Carryover |
(理由)新型コロナウィルス感染症の影響および調査実施予定施設の移転等による調査実施の中断があったため、機器のレンタルの実施に至らなかった。 (使用計画)施設による調査実施再開の見通しが立ったため、調査のための機器の購入を行う予定。
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