2021 Fiscal Year Research-status Report
周産期女性のウェルネスケアシステム構築と血中ストレス関連物質量に基づく効果の検証
Project/Area Number |
18K10460
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
鏡 真美 (関塚真美) 金沢大学, 保健学系, 准教授 (60334786)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
關谷 暁子 金沢大学, 保健学系, 助教 (10452111) [Withdrawn]
毎田 佳子 金沢大学, 保健学系, 教授 (20397219)
田淵 紀子 金沢大学, 保健学系, 教授 (70163657)
小西 佳世乃 金沢大学, 保健学系, 助教 (80708470) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 周産期 / 女性 / ウェルネス / ストレス関連物質 / オキシトシン |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究目的は周産期女性のウェルネスに貢献するケアシステムを構築し,ストレスを生理学的指標で定量化することでその効果を検証することである。令和3年度の実績として,昨年度までの結果に関して2件の論文投稿を行った。また,以下の内容を学会発表した。 分娩時に行われる足浴や入浴などのケアは産痛緩和のみならず分娩進行促進の目的で行われるが,令和3年度は,分娩時に行われる足浴の効果を生理学的に検証する前段階の研究として,健康な若年女性を対象に,足浴によりオキシトシンが変動するかを評価した。 研究デザインは一群事前事後テストデザインの準実験研究とした。対象は健康な20代女性10名であった。実験方法は,安静座位後に足浴を20分間(水温40℃,水深20cm)実施し,足浴前後に血液を約5ml採取した。採血後血清を分離し,定量化までマイナス80℃で保管した。血清中オキシトシンをOxytocin Kit(Phoenix社,RK-051-01)を用いて,Radioimmunoassayにより定量化した。対象者の平均年齢は21.7歳であった。検量線の決定係数は0.968であった。足浴前のオキシトシンは平均3.35(範囲:1.91-4.69)pg/mlであり,足浴後は平均3.55(範囲:2.07―5.22)pg/mlであった。足浴前後のオキシトシン定量値を線形混合モデルで分析した結果,足浴前後における有意差は認めなかった。しかし,10名中7名が足浴後における変動倍率が足浴前に比べ1.0倍を超えていたことから,足浴後にオキシトシンの上昇がみられる可能性が示唆された。しかしながら先行研究では,非妊娠女性のオキシトシン定量に関して,測定不能すなわち感度以下となっている報告や定量方法による測定値の違いも報告されている。オキシトシン定量化に関してはまだ課題が残されるため,次年度以降も最適な定量化方法を検討していく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
昨年度に引き続き,COVID-19の感染拡大に伴い妊産婦を対象とした検体採取が不可能であったため,当初研究計画の進行が滞っている。
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Strategy for Future Research Activity |
妊産婦を対象とした検体採取を検討中であり,本課題は次年度も延長することとした。しかし,COVID-19の感染拡大に伴い,当初予定の計画遂行が困難になる可能性が高いため,研究計画を修正せざるを得ない状況になる可能性は否定できない。 COVID-19の収束が見られた場合は,妊産婦を対象に当初予定していた計画を遂行する。収束が期待できなければ,対象を変更するまたは計画を一部変更し,ストレスの定量化を目指す。
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた理由としては以下2点である。1点目はCOVID-19の感染拡大により妊産婦を対象とした検体採取が不可能な状況となり,妊産婦を対象としたストレス関連物質の定量化を実施できなかったためである。2点目は参加予定であった学会がオンライン方式となり,出張に関わる旅費や宿泊費等を使用しなかったためである。
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Research Products
(2 results)