2019 Fiscal Year Research-status Report
助産師教育における地域志向型学生育成プログラムの開発
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18K10467
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
井上 尚美 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 准教授 (70264463)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
根路銘 安仁 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 教授 (00457657)
若松 美貴代 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 助教 (50433074)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 助産師教育 / カリキュラム / 地域志向 / 助産師学生 / 助産師 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、地域志向性を高める助産師教育プログラムを開発することで助産師偏在を解消し、離島へき地での安全・安心な出産時のケアの提供へつなげることである。本研究では、以下の3つの研究を実施し、助産師の地域志向性を高める要因を明らかにし、助産師教育プログラムを開発する。本年度は、当初の予定通り、下記の2つの研究を実施した。 【研究1】離島で就業している助産師の地域志向性要因調査:本年度は、対象者の実践レベルの測定に用いる予定である研究者が作成する「助産師実践能力自己評価尺度」の作成を引き続き行うと同時に、離島で就労している助産師4名へのインタビュー調査を実施した。 【研究2】助産師学生の地域志向性の変化と現行カリキュラムとの関連性:本年度は、助産師養成機関の学生14名を対象に各2回のインタビュー調査を実施した。離島実習前1回、離島実習後1回の計2回である。 本年度は、修了時のみにインタビュー調査を行ったデータの分析を行った。結果、【1年目から離島へ行くのは怖くて勇気がない】【自分は離島では働けない】【島の人への熱い思いと理解する力が自分にはない】【ライフプランを考えると離島へは行けない】【離島を知ることで就職先の選択肢になる】【機会があれば離島で働いてもいい】【離島だからできることがある】の7つのカテゴリーが抽出された。離島での教育を行っていなかった時は選択肢としてほぼ挙がらなかったが、離島の現状を知ることで離島への就労に対して一定の肯定的な意識がみられた。結論、助産師教育へ離島での実習を取り入れたことで、離島への就労の思いを高めていた。また、否定的な思いもあり今後の課題と考えられた。これらの成果については、2020年度開催予定の第52回日本医学教育学会にて発表予定である。 次年度は引き続き調査を行うと共に、データの一部を発表予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究1「離島で就業している助産師の地域志向性要因調査」では、本年度は4名のインタビュー調査が実施できており、次年度は僻地の助産師へのインタビュー調査も予定しており、順調に進んでいる。研究2「助産師学生の地域志向性の変化と現行カリキュラムとの関連性」については、学生へのインタビュー調査も予定通り実施できており、一部は分析も終わり成果発表予定となっている。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究は、現在順調に進展しており、今後も計画にそって下記の調査・分析を進めていく予定である。 1.調査 1)助産師養成機関の学生へのインタビュー調査 10回/2年2) 2)離島・へき地で就労している助産師へのインタビュー調査 16名/2年 2.分析 インタビューを逐語録におこし記述データ化し、質的帰納的に分析を行い、思いの変化を明らかにする。
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Causes of Carryover |
本年度は、離島で就労する助産師へのインタビューを1島のみしか実施できなかったことと、僻地で就労している助産師へのインタビューが実施できなかった。また、本年度中に研究成果発表を行うための学会参加が出来なかったことにより、次年度使用額が生じている。 次年度は、複数の離島でのインタビュー調査並びに僻地での調査を予定しており、これらに次年度使用額を使用する予定である。
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