2019 Fiscal Year Research-status Report
妊娠糖尿病妊婦の糖尿病療養行動を支える看護支援プログラムの有効性の検証
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18K10476
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Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
能町 しのぶ 兵庫県立大学, 看護学部, 准教授 (40570487)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡邊 浩子 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (20315857)
岡邑 和子 兵庫県立大学, 看護学部, 講師 (40755823)
濱田 洋実 筑波大学, 医学医療系, 教授 (60261799)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 妊娠糖尿病 / 療養行動 / 看護支援 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究ではGDM妊婦の糖尿病療養行動を支える看護支援プログラムの効果、妥当性および一般化可能性を評価し、支援プログラムを再構築することを目的とする。今年度は昨年に引き続き、GDM妊婦の看護支援プログラムの構成要素を再検討するために、GDM妊婦に対して混合研究法にて調査を行った。量研究として、GDM妊婦の抑うつや不安とその関連要因について明らかにするために、GDM妊婦105人、正常な経過を辿る妊婦97人に対して無記名式自記式質問紙調査を行った。その結果、GDM妊婦の状態不安は非GDM妊婦よりも高いこと、またGDM妊婦の看護師からのサポート得点の中央値は、夫や両親、友人の得点よりも低いが、GDM妊婦の状態不安には看護師からのサポートが関連することが明らかになった。質的研究としてGDMと診断され食事療法中のGDM妊婦11名に対しGDMの療養行動に関連する因子についてインタビュー調査を行い、内容分析にて分析した。その結果、GDM妊婦は 血糖値の上昇を緩やかにする食事や、血糖値を確認ながら炭水化物摂取量を調整するなどを行っていた。仕事や育児で決められた分割食が摂取できないことや、自由に食事がとれないストレスを抱え、妊娠週数が進み必要な食事量を摂取する事への負担感、妊娠糖尿病が児に与える影響への心配をもつが、家族の理解・協力を得ながら、血糖測定によって食事内容と血糖値の変動との関係を理解し、食事療法によって食事を見直す機会になったと捉えることで、療養行動をとることができていた。 これらの質的・量的研究結果から、GDM妊婦への看護支援プログラムの構成要素は、食事と血糖値の関係性を妊婦が学び、自己コントロールが可能になることを主軸とし、家族も含めた内容であること、加えて妊婦がもつ周産期合併症等の不安に対処するプログラムの構築が有効であることが明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
看護支援プログラム構築のために、医師や助産師、管理栄養士、糖尿病療養指導士などによるデルファイ法による検討を予定していたが、COVID-19の影響で開催が一時中断している。
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Strategy for Future Research Activity |
看護支援プログラム構築のために、医師や助産師、管理栄養士、糖尿病療養指導士などによるデルファイ法を遠隔で実施するなど、研究協力機関、研究協力者と調整をしながら、研究を進めていく。またGDM妊婦への調査が実施できる状況になったら、作成した看護支援プログラムによる介入研究を実施する。
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Causes of Carryover |
看護支援プログラム構築のために、医師や助産師、管理栄養士、糖尿病療養指導士などによるデルファイ法による検討を予定していたが、COVID-19の影響で開催が一時中断したため、旅費や会議開催に係る費用について次年度使用額が生じた。 次年度はデルファイ法によって看護支援プログラムが検討できるように調整を行っていく。
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