2020 Fiscal Year Research-status Report
発達障害の診断前の児の親の養育レジリエンス向上-基本的生活習慣の習得を目指して-
Project/Area Number |
18K10477
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Research Institution | Fukuoka Prefectural University |
Principal Investigator |
江上 千代美 福岡県立大学, 看護学部, 教授 (50541778)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 美智子 宮崎県立看護大学, 看護学部, 教授 (30249700)
塩田 昇 福岡県立大学, 看護学部, 講師 (30573638)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 養育レジリエンス / 発達障がいの子ども / 基本的生活習慣獲得 / 不適切な養育 |
Outline of Annual Research Achievements |
【目的】発達障害の診断がつく前の児の保護者を対象に、養育レジリンスを高めるトリプルPを用いた支援を行い、養育レジリエンスとメンタルヘルス、子育てへの適応、基本的生活習慣の習得の関係を明らかにする。 【方法】対象はA町に在住する妊娠期から3歳未満の子どものいる母親203名を対象とした。質問紙は子育てレジリエンス、メンタルヘルス「DASS」、子育てと家庭の適応「PAFAS」を用いて介入前調査を行った。対象は町からバーコード付きのハガキが送られ、webによる無記名式アンケートの回答を行った。トリプルP(レベル1から4)を実施する。レベル1は3回/月すべての保育園と幼稚園に子育て定期便を用いて情報配信し、園から保護者へ手わたしを行った。定期便のタイトルはトリプルPとは?食事中のウロウロ、歯みがきをしない等に対する基本的生活習慣の習得項目の関わり方であった。レベル3の個別対応(4回/4W))については8名が参加した。取り組まれた課題は「兄弟げんか」「食事のダラダラ食べ」「歯みがき」等であった。レベル4のグループ対応(8回/8W)は1クールのみ開催し、4名の母親が参加し、取り組まれた課題は座って食べる、朝の準備等であった。レベル2(講演会)は開催を見送った。 【結果・考察】介入前調査の回答率は44.8%(91名)で、子育てレジリエンスとDASS(r=-0.68)、子育てレジリエンスとPAFAS(r=-0.52)の関係であった。「DASS」の下位尺度のいずれかが中等度、重い、非常に重いの臨床域に該当した対象者は31名で、うちすべての下位尺度が臨床域に該当した対象者は10名であった。10名の対象者の子どもの年齢内訳は妊娠期1名、2歳未満10名、2歳20名であった。取り組んだ保護者の課題は全員達成できていた。今後は定期便について効果を検討し、改善して取り組む予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
新型コロナ感染による緊急事態宣言により、対面での介入が困難となった。このことにより、予定していた前向き子育て(レベル2,3,4)を用いた対面での介入が困難となった。
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Strategy for Future Research Activity |
2021年度の計画についてはレベル1を町内の保育園に継続介入する。さらに、現在実施中の子育て定期便のアンケート結果をもとに、定期便の改善を行う予定である。 トリプルPの対面での介入が困難なため、遠隔での媒体を活用し、実施予定である。
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Causes of Carryover |
今年度、予定をしていた対面での介入を中断したため人件費・謝金の活用が計画通りに執行できなかった。新型コロナによる対面での継続は困難となることが推測されるため、リモート等の活用に切り替え、支援を継続する予定である。
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