2019 Fiscal Year Research-status Report
出産直後の母親が「必要としている支援」を捉える助産師のケア技術の検討
Project/Area Number |
18K10484
|
Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
和智 志げみ 北里大学, 看護学部, 講師 (70410173)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
島袋 香子 北里大学, 看護学部, 教授 (70206184)
香取 洋子 北里大学, 看護学部, 教授 (90276171)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
|
Keywords | 助産師 / 産褥早期 / 授乳場面 / 助産ケア技術 / 相互行為分析 |
Outline of Annual Research Achievements |
【2018年度まで】産褥早期の授乳場面において「母親が必要としている支援」を成し遂げるための助産ケア技術の特徴を実証的に明らかにすることを目的とした。研究対象は正常分娩し、承諾を得られた初産婦10名と、助産師10名とした。データ収集は、1)授乳場面における助産師の支援をビデオカメラで撮影しつつ、参加観察を行い、2)授乳後の後に、助産師にインタビューを行った。分析は、1)で得られたデータについては、エスノメソドロジー的相互行為分析を行った。2)で得られたデータについては、助産師の行為の意図を解釈した。【2019年度】3)1)と2)で得られた結果を統合し、助産ケア技術の特徴を取り出した。4)3)で得られた各事例の分析結果を概観し、産褥早期の授乳場面において「母親が必要としている支援」を成し遂げるための助産ケア技術の特徴を実証的に明らかにした。10事例から「母親が必要としている支援」が成し遂げられていた15場面を分析し、以下の助産ケア技術の特徴を明らかにした。(1)支援の目標は、母親自身が自信を持ち、成長できることであると設定する。(2)母親と新生児の対象像を捉えて、支援の方向性を定める。(3)母親と関わりながら対象像を変化させ、具体的な支援方法は相互の関わりの中で決める。(4)母親の身体的な苦痛や思いをその表情や身体動作から察して代弁、身体接触しながら、苦痛や思いを共感する。(5)沈黙をつくり、低い体勢や距離を取ることにより、母親の発言や質問を引き出す。(6)否定的な表現を用いず、肯定的な表現や婉曲的な表現で授乳手技の評価や助言を伝え、母親との関係性を構築し、母親を傷つけない配慮をする。(7)授乳方法に関しては、母親の身体感覚に基づいた方法で教示する。(8)母親の意向に沿った支援を提供する。(9)支援の評価は、支援の目標に照らして母親と新生児の状態や状況から判断する。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画通りに進行しているから。
|
Strategy for Future Research Activity |
昨年度に得られた助産師のケア技術の特徴をもとにケアモデルの作成の検討を進める予定である。
|
Causes of Carryover |
研究発表(口頭)する予定だった学会がウェブ学会となり旅費が不要となったため。
|
Research Products
(1 results)