2021 Fiscal Year Research-status Report
精神疾患の親をもつ思春期の子どもの健やかな育成支援プログラムの開発
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18K10493
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Research Institution | Bukkyo University |
Principal Investigator |
田野中 恭子 佛教大学, 保健医療技術学部, 准教授 (50460689)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
甘佐 京子 滋賀県立大学, 人間看護学部, 教授 (70331650)
土田 幸子 鈴鹿医療科学大学, 看護学部, 准教授 (90362342)
佐藤 純 京都ノートルダム女子大学, 現代人間学部, 教授 (90445966)
緒方 靖恵 佛教大学, 保健医療技術学部, 助教 (00880387)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 精神疾患の親をもつ子ども / 精神疾患の親 / 精神疾患 / 精神障害 / 子ども / 学校保健 |
Outline of Annual Research Achievements |
1.学校教員への啓発研修の実施・評価:教員免許更新講習会を実施し、講習参加者を対象に講習会前・後の評価を行った。質問内容は受講者の基礎的情報、講習の効果に関する質問内容は、KAPモデルを参考に作成し、11段階選択肢への回答および自由記述とした。分析方法は、受講者の基礎的情報は単純集計し、評価の前後比較は中央値を算出し、ウィルコクソンの符号順位検定を行った。有意水準はp<.05とした。統計的処理はSPSS.Statistics27を使用し、自由記述は質的帰納的に分析した。結果として、協力者40名の回答を講習前と講習直後で比較した結果、「精神疾患・治療、障害の説明ができる」(p<.001)、「精神疾患の保護者とその子どもの生きづらさ・困難を説明できる」(p<.001)、「保護者と暮らす子どもへの対応の工夫をしてみようと思う」(p=.017)、「同僚・多職種と連携してみようと思う」(p=.004)等、すべての項目で有意に向上していた。 2.子どもへの情報提供:これまでの論文や2020年に出版したドイツの児童専門書「悲しいけど、青空の日 親がこころの病気になった子どもたちへ」をもとに、学会や子どもの立場の人や支援者が集う学習会などで子どもの困難と必要な支援について報告した。 3.研究結果のまとめ:これまでの研究結果を総括し、「精神疾患の親をもつ子どもの経験と教員研修の試行」(博士論文)としてまとめた。内容は、①精神疾患の親をもつ子ども(Children of parents with a mental illness,以下COPMIと記載)が経験した困難と支え、②養護教諭のCOPMI支援の経験、教員研修の施行、④総括・今後のCOPMI支援、資料・ドイツでの精神疾患の親をもつ子どもへの支援である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
学校教員への啓発研修について、2020年度はコロナ禍でオンライン実施に変更したが、2021年度は対面での介入を実施し、介入前、直後、3か月後の評価を把握できたため。
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Strategy for Future Research Activity |
・学校教員への啓発研修の効果について分析し、日本公衆衛生学会で報告する。 ・精神疾患の親をもつ思春期向け無料配付資料を作成し、支援を進める。 ・これまでの研究成果を学術書として2023年度に出版できるように、出版社の決定、執筆を行う。
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Causes of Carryover |
教員啓発研修結果を研修終了3か月後まで把握することになり、データ収集が2022年2月までとなった。そこで、結果の分析、結果発表を2022年度に実施する。また、思春期向け情報誌として無料配布資料作成を検討しており、資料製作費および配付送料等が2022年度に必要となる。以上より、翌年度分として助成金を使用予定である。
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Research Products
(3 results)