2020 Fiscal Year Research-status Report
住民の視点による介護予防システムの評価指標の開発と有用性の検討
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18K10516
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Research Institution | Tenshi College |
Principal Investigator |
吉田 礼維子 天使大学, 看護栄養学部, 教授 (90320556)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 介護予防 / ケアシステム / 住民 / 評価 |
Outline of Annual Research Achievements |
介護予防システムの構築と推進について、これまで保健師活動の視点からとらえてきたが、システムの構成員でありシステムを推進する役割を担う一員でもある住民の視点からシステムを評価することは、住民が望むシステムの発展の方向性を見出すことにつながる。 住民の視点による評価指標の開発に向けたステップとして、介護予防教室サポーターに、半構造化面接を行い、地域の生活で何を大切にしているか、そのために必要なこと、介護予防活動の維持・発展に必要なことについて尋ねた。 サポーターの語りを分析した結果、地域に根づいてきた自身の経験を活かして、介護予防サポーターになって地域を支える、高齢者の孤立や閉じこもりを防ぐための交流の機会をつくる、教室から地域のつながりを広げる、情報を取り入れ教室のマンネリを防ぐ、目に見える形で健康状態を評価する工夫をする、男性参加者が少ないことや回数の制限、待機者等の教室の課題、教室を開催できない影響を最小限にするための活動として筋力低下や脳の活性化を図る情報の発信、孤立を防ぐための電話連絡等の活動、行政や地域包括支援センターの保健師や関係者からの情報提供や支援、行政からの補助を教室運営に活用するなどサポーターとして介護予防教室を支え、介護予防システムを担う一員となっていた。 システムの構成員である住民は、高齢者の孤立の防止、介護予防の必要性を身近で実感し、自分の経験を地域に還元して高齢者を支える役割を担いたい思いを原動力に活動できこと、サポーターとして教室の運営にとどまらず日常での継続を促す活動を促し、教室のつながりを地域のネットワークに広げることを意図する等システムを推進する活動に発展させていた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
新型コロナウイルス感染症拡大による日常業務の変更等により、研究に費やす時間の確保が困難となった。また、予定していたインタビュー調査対象者へのアクセスがでできない時期があり、調査の遅れ、対象者の拡大に支障をきたした。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、インタビューの対象をさらに広げて、多様な住民の声から介護予防システムの評価項目を作成する。質問紙調査により、住民の視点による介護予防システムの評価指標を開発し、完成させる予定である。 住民の視点による介護予防システムの評価指標を開発することは、専門家や行政とシステムの課題を共有することができ、システム改善の方向性を住民とともに考え、誰もが安心して暮らせる介護予防システムの発展に寄与することができると考える。
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Causes of Carryover |
インタビュー調査の遅れ、および質問紙調査の遅れにより、次年度に、調査のための旅費、質問紙作成、郵送費等の使用額が生じた。また、学会発表などのポスター作製、参加費、旅費等の費用の支出を予定している。
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