2022 Fiscal Year Research-status Report
住民の視点による介護予防システムの評価指標の開発と有用性の検討
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18K10516
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Research Institution | Tenshi College |
Principal Investigator |
吉田 礼維子 天使大学, 看護栄養学部, 教授 (90320556)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 介護予防 / ケアシステム / 住民 / 評価 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、介護予防システムの構成員であり、システム推進の役割を担う一員である住民の視点から介護予防システムを評価しようとするものである。今年度は、第3段階として、第2段階の専門家調査により精選した「住民の視点による介護予防システムの評価指標」案について、質問紙調査を実施した。 A県4市の介護予防教室等に参加している地域高齢者978人を対象に、無記名自記式質問紙調査を実施した。調査内容は、「住民の視点による介護予防システムの評価指標」案29項目、基本属性、介護予防活動、地域の役割である。513(回収率52.5%)を分析対象とした。分析の結果、女性85.8%、80歳以上32.0%で、教室参加年数5年以上36.3%、地域で役割を持つ人が約半数であった。 介護予防システムの肯定的評価が60%以上の項目は、介護状態にならないように気をつけている、保健センターや地域包括支援センターと連携し介護予防活動を行っている等の13項目で、否定的評価が60%以上の項目は、介護予防に関する課題を話し合っている、情報交換や話しあいをして解決に取り組んでいる等の4項目であった。教室の経験年数、役割の有無が評価と関連していた。 「住民の視点による介護予防システムの評価」案29項目の因子分析の結果、24項目5因子からなる評価指標が確認された。適合度の評価により適合が確認され、各因子と指標全体は有意な相関がみられ、指標全体の信頼係数は0 .95であった。教室での役割の年数、介護予防等の研修の受講、地域の役割が各因子と関連していた。 本研究で得られた住民の視点による介護予防システムの評価指標は、住民自らが地域の介護予防システムを評価する際に活用することができ、関係者とともにシステムの推進に向けた活動を意図的に展開していく上での指標となると考える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
Covid-19感染拡大により、地域住民を対象とした調査の実施に至るまでに時間を要した。 質問紙配布のために窓口となる住民を紹介してもらうために保健師にアプローチをしたが、感染対応に奔走している状況があり、依頼のタイミングを見ながらの実施であった。また、介護予防教室等の閉鎖等も重なり、質問紙の配布に時間を要した。そのため、データ収集が大幅に遅れた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、さらにデータ分析を進め、住民の視点による介護予防システムの評価項目の構造と関連要因を明らかにし、分析結果をまとめ、考察を加え、学会発表および論文作成を行う予定である。
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Causes of Carryover |
調査実施、データ分析が遅れたために、今後、分析、考察を進め、学会発表、論文投稿を行う予定であり、学会参加費、論文投稿費等で使用する。
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