2020 Fiscal Year Research-status Report
急性期における認知症患者の尊厳への配慮の実態と患者の思いとの一致度について
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18K10531
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| Research Institution | National Center for Global Health and Medicine |
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Principal Investigator |
大竹 恵理子 国立研究開発法人国立国際医療研究センター, その他部局等, 国立看護大学校 老年看護学 准教授 (10423849)
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| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
新實 夕香理 名古屋女子大学, 健康科学部, 教授 (20319156)
池上 千賀子 (曽根千賀子) 長野県看護大学, 看護学部, 講師 (40336623)
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| Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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| Keywords | 認知症 / 患者の尊厳 / 急性期 / 代理評価 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
令和2年度は、急性期看護を実践する看護師が認知症患者に看護援助を提供する際の尊厳への配慮の実態の明確化と、看護師の代理回答による患者の尊厳への思いの評価の実施可能性を探るため、個別の半構造化面接を実施した。調査対象は、急性期疾患の患者が多く、平均在院日数が20日以内の病棟で勤務する看護職5名とした。インタビューでは、長谷川ら（2017）が開発した患者尊厳測定尺度日本版を用いて認知症患者の回答を想定して看護師に回答を求め、各質問項目の回答への根拠と認知症患者の尊厳の代理評価の可能性について聞き取った。併せてIkegamiら（2018）が開発した認知症看護ケアチェックリストにも回答を求めた。回答者の看護師平均経験年数は6.0年(3-14)だった。全ての回答者が、急性期は治療の優先度が高く、ドレーン抜去や事故防止のために『身体拘束をすることがある』と回答した。また、患者の病態にあわせて『部屋移動』や『男女混合のオープンスペースへの入院』の必要があり、患者の私物の持ち込みが難しいことから『認知症をもつ人に適した療養環境の提供』の困難さを示した。そのほか、治療のための身体拘束や主疾患の病態の悪化など『患者の尊厳の思いの変動』に関連する因子が多いことより、患者の尊厳への思いを推測することは困難であると回答していた。しかし表情や口調、BPSDの出現の様子など『患者の態度・言動』の変化から患者の思いを推測していた。これについては患者の尊厳への満足度を推測する際に、自分の看護ケアの評価を反映してしまい『正確に回答できない』と感じていると推察された。以上より、患者の尊厳への思いを数値で報告する他者評価は困難であると看護師は感じているが、患者の思いを推測するために、看護師は患者の表情や態度など観察から多くの情報を得ていた。
研究成果は、第40回日本看護科学学会学術集会（オンライン開催）で発表した。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
令和2年度はCOVID19による緊急事態宣言が発令され、病院での調査を計画することが困難であった。また、学内での教育方法の変更により業務過多となり、研究活動に影響が出た。以上の理由から、本研究の研究課題の進捗が遅れることにつながった。
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| Strategy for Future Research Activity |
令和3年度は、インタビュー調査の結果をもとに、ドラフト版急性期認知症看護尊厳評価チェック票を作成する。作成にあたっては、認知症看護および看護倫理の研究者とともに検討し、臨床で認知症看護を実践している認知症認定看護師および老人看護専門看護師の意見を参考に妥当性の評価を行い完成を目指す。併せて、成果発表の準備を進める予定である。
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| Causes of Carryover |
調査の実施が遅れ、またCOVID19の影響で研究参加者の獲得が困難であり調査件数が少なかったことから令和2年度の使用額が予定額を下回った。令和3年度も対面での調査・打ち合わせが困難である場合は、オンラインでの調査・打ち合わせを予定し、令和2年度に計上していた研究費を令和3年度のオンライン調査・打ち合わせのための環境整備のため物品費・研究協力謝金などにあてることを予定している。また令和3年に予定されている日本看護倫理学会年次大会、ICN大会（バーチャル形式）では、今後の研究および調査への示唆が得られることが期待できるため、学会への参加を計画し、その参加費に充てる。
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Research Products
(1 results)
