2020 Fiscal Year Research-status Report
被災直後の混乱期対応に有効な保健師の健康危機管理支援ツールと研修プログラムの開発
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18K10591
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Research Institution | Seirei Christopher University |
Principal Investigator |
若杉 早苗 聖隷クリストファー大学, 看護学部, 准教授 (40718748)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 健康危機管理向上プログラム / シミュレーション / アクション・カード |
Outline of Annual Research Achievements |
2020年度は新型コロナウイルス感染症の拡大の影響により、予定していた調査の3分の2が延期となった。実施できた調査は、健康危機管理能力向上プログラムの介入調査が2施設で44名。健康危機管理支援ツール(アクション・カード)が1施設で32名。 健康危機管理能力の向上プログラムの開発は介入研究で実施した。研修プログラム(以下、プログラム)は2回で1コースに設定。研修会の前後で健康危機管理能力の評価を、自記式質問紙により行い、プログラムの受講により、健康危機管理能力のどの項目が向上したか比較のある分析(t検定)を行う予定である。プログラムの内容は、事例を用いたシミュレーション。対象者は、訪問看護ステーションに勤務する医療職。対象者の選定理由は、自治体に所属する保健師同様、総合病院や入所施設などと異なり、地域に出向き一人で健康危機対応に当たる事が想定される医療職であり、個人の判断で健康危機管理能力を発揮する必要がある為、である。訪問看護ステーションと自治体保健師の異なる点は、災害発生時の法的根拠がない点である。 プログラムは事例を用いたディスカッションを行った。家庭訪問時に災害が発生し患者対応等を一人で判断し行動する「シチュエーションjudge」を行い、選択を迫られる場面で判断する難しさを経験した。自由記述の結果から、日々の業務を含め個人の判断能力向上を図っていく必要性、災害時の正しい答えは存在しない、他者との考え方の違いや、組織体制の構築の必要性など介入プログラムにより個人だけでなく、組織の課題もある事が確認された。 新型コロナの影響により、十分な信頼性を確保できるだけの介入数が確保できなかった為、1年研究機関を延長し研究を継続していく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウイルス感染症の拡大の影響により、研究協力を内諾いただいていた訪問看護ステーションから、集団での介入の調査を延期したいという申し入れがあった。 本研究の目的である健康危機管理ツールの開発においても、防災訓練が実施されなかったり健康危機管理能力向上プログラムの介入効果を評価するための研修会が開催できない状況が続き、目標としていた調査数を確保することができなかった。研修プログラムの開発において、信頼性に欠ける調査数に留まっている。新型コロナのワクチン接種、感染拡大状況の終息状況を確認しながら、信頼性のある結果を出すための調査数を確保したい。
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Strategy for Future Research Activity |
新型コロナウイルス感染症の拡大状況を鑑み、研修会プログラムの開催方法をオンラインとする等、現在の危機状況に合わせたプログラムに修正し実施できるかを検討する。 新型コロナウイルス感染症の発生状況やワクチン接種の状況を確認しつつ、年内に研修会の開催について、内諾を得ていた団体へ再度研究協力を依頼し実施していく。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症のパンデミックの影響により、調査予定であった東日本地域や県内での調査施設から、延期の申し入れがあったため調査費用の執行が行えなかった。2021年度の感染の終息状況を確認しつつ、小規模での介入調査の工夫やオンラインでも実施等を検討し執行していく。
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