2021 Fiscal Year Annual Research Report
Development of an evaluation model for childcare support systems using geographic information with user perspectives
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18K10599
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Research Institution | National Institute of Public Health |
Principal Investigator |
大澤 絵里 国立保健医療科学院, その他部局等, 上席主任研究官 (30520770)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
市川 学 芝浦工業大学, システム理工学部, 准教授 (60553873)
峰 友紗 尚絅学院大学, 総合人間科学系, 准教授 (90587651)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 地域子育て支援 / システム評価 / 地理情報 / ユーザー視点 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、地域の子育て支援資源や乳幼児をもつ親の子育て行動を考慮し、サービス利用者の視点を包含した地域子育て支援システム評価モデルを開発することを目指した。 2018年度は、調査の詳細なデザインを作成するために、先行文献検索およびフィールドとの調整を実施した。2019年度は本調査を実施する予定であったが、研究フィールドの候補地であった自治体より調査協力が得られなかったため、他フィールド候補地との調整をし、調査協力を求める中、ある自治体より乳幼児をもつ母親(家庭)からすでに収集した既存データの活用の許可が得られた。そこで、2次データと地理情報を突合して分析を実施した。その結果、4か月~3歳の乳幼児をもつ母親の回答から、居住地域から子育て支援センター、公園が近いほど、「この地域で子育てをしたい」という気持ちが微増することがわかった。2020年度は、追加の分析として、各子育て関連の施設から800m圏内(徒歩圏内)に入るカバー率と「子育てのしづらさ」の関連を分析したが、子育て資源は子育てのしづらさに関連する地理的要因として説明できなかった。2021年度は、市内を3ブロックにわけ、地理的な要因が関連するかを分析してみたが、そこでも子育て資源と子育てのしやすさに地理的要因はみられないことがわかった。2019~2021年度の間に、学会発表4件(うち1件は国際学会)を行った。1市を対象とした当該研究の成果としては、地理的な要因が子育てしやすさとは明らかな関連がみられず、母親(家族)の主観的な子育てのしやすさや子育てのしづらさは、物理的な環境よりも、本研究で調査しきれなかった、例えば母親(家族)の個人的な特性や社会関係資本のようなその地域に埋め込まれた社会的な環境の方が、反映される可能性が示唆された。
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