2020 Fiscal Year Research-status Report
ヘルスリテラシーの向上に着目した島民の「肝臓を守る健康教育プログラム」の開発
Project/Area Number |
18K10615
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Research Institution | Meio University |
Principal Investigator |
島袋 尚美 名桜大学, 健康科学部, 准教授 (80738253)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
任 和子 京都大学, 医学研究科, 教授 (40243084)
田場 真由美 名桜大学, 健康科学部, 教授 (90326512)
砂川 昌範 名桜大学, 健康科学部, 教授 (70325835)
本村 純 名桜大学, 健康科学部, 准教授 (50632999)
比嘉 憲枝 名桜大学, 健康科学部, 上級准教授 (40326509)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 健康教育 / 演劇 / 腹部超音波検査 / 健康情報の見える化 / ヘルスリテラシー / 肝機能障害 / 脂肪肝 / 過剰飲酒 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究目的:離島村で飲酒による肝疾患ハイリスク者を対象にヘルスリテラシー向上をめざす「島民の肝臓を守る健康教室プログラムを展開し、その有効性を検証することを目的に介入研究を行った。 研究実績:健康教育プログラムを2019年4月~2020年3月にかけて展開した。4月は島民健康劇の役者を住民、行政、大学学生から合計25名を募った。2019年6月~11月の間に演劇ワークショップ5回実施し、劇団の役者から演技指導を受け、過剰飲酒にまつわる島民の生活を題材にした健康劇を作成した。健康教育プログラムの対象者の選定は、7月と10月の住民健診結果でAUDITテストが高得点者(問題飲酒群)かつ血液検査で肝機能低下の所見がある住民30名を選定した。10月中旬より選定した参加予定者に健康教室の案内を行い、参加希望者は25名であった。11月の「島民の肝臓を守る健康教室」では健康劇の観賞と腹部超音波検査及び保健指導の実施と健康日記(飲酒カレンダー)に簡単な目標を掲げ、継続記載を依頼した。3月後の評価教室の希望者は初回健康教育参加者の中から10名となり、開催までに1名の死亡があり、対象者は9名となった。3か月後評価として、血液検査による肝機能検査、腹部超音波検査、保健指導、健康教育プログラムの満足度調査を行い結果評価まで終了した。 研究意義:健康教育プログラムの満足度調査のインタビューで対象者は「3か月間、行動の目標を継続した結果を血液検査、腹部超音波検査で分かりやすく見える形で評価できることが良い」と全員が述べた。また3か月間予防行動が継続できたのは、演劇の観賞で健康の大切さを感じ、腹部超音波検査で脂肪肝があると知り、保健指導で自分の生活の課題に気づき、普段の生活で可能な目標を立て、簡単にチェックできる健康日記に記載することであったと考える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2019年4月から2020年3月まで当初の研究計画の通り、3か月評価まで終了できた。8月、9月に台風のため離島に渡れないことがあり、演劇の練習を島民や島の行政職を含めて行えず、大学内で学生のみで演劇の練習を実施したこともあった。しかし演劇指導を担当した劇団スタッフの臨機応変な対応により11月教室当日までには、島民の健康劇が完璧に仕上がり、照明や音響などの周辺環境を整えて、健康教室が開催できた。 2020年は、研究のまとめと公表のため、保健師を含む行政職員、健康劇に参加した住民、共同研究者を含めて健康教育プログラムの評価会議、関連するインタビューを行う予定であったが新型コロナ感染症拡大の影響で離島渡航ができず、健康教育プログラムの効果評価の進捗が遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
健康教育プログラム介入の評価として、客観的な指標の集計作業は完了している。その内容を研究分担者と共に評価会議などを行って研究のまとめを行う。その後、学会発表、論文投稿を行い公表する機会を得る。
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Causes of Carryover |
理由:新型コロナ感染症拡大のため、離島への渡航制限が継続し離島在である研究協力者や共同研究者で開催する予定であった研究のまとめ会議及び伊江村健康づくり推進協議会への報告などが実施できず、旅費や謝金の支出がなかった。それと同時にまとめが十分にできていないため学会発表や論文作成に至らず、次年度の使用額が生じた。 使用計画:新型コロナ感染症の終息、あるいは低減の様相があり、離島への渡航が可能になれば、研究関係者が集合して研究評価の会議及び研究協力者の行政職(保健師等)へのインタビューを実施する。また県外の共同研究者の任教授と共に研究データの分析などを行う。それらの情報をまとめ、村行政機関への研究成果の報告や学会発表、論文投稿を行う。
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