2019 Fiscal Year Research-status Report
高齢難聴患者の対処行動を支援するための患者・看護師への研修の開発
Project/Area Number |
18K10617
|
Research Institution | Daito Bunka University |
Principal Investigator |
森田 恵子 大東文化大学, スポーツ健康科学部, 教授 (60369345)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 直子 大東文化大学, スポーツ健康科学部, 講師 (10448623)
佐野 智子 城西国際大学, 福祉総合学部, 准教授 (50348455)
長田 久雄 桜美林大学, 大学院 老年学研究科, 教授 (60150877)
渡辺 修一郎 桜美林大学, 健康福祉学群, 教授 (20230964)
奥山 陽子 日本医療科学大学, 保健医療学部, 講師 (70817882)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
|
Keywords | 高齢者 / 対処行動 / デンマーク / 難聴対策 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、高齢難聴患者の適応的な対処行動を支援するために,高齢入院患者と看護師への難聴と耳の健康,コミュニケーションについての研修を開発することを目的としている。高齢者自身がどのような適応・非適応的対処行動を用いているか、高齢者のストラテジー(対処行動)を促進するような看護師の対応については明確にされていないことから、本研究は高齢者自身で行う対処行動を支援できる看護師への研修プログラムの確立を目指している。 上記の研修を計画にするにあたり、難聴者に対する政策が充実していると言われているデンマークを視察し、難聴対策、研修の実施とその内容についての情報を得た。デンマークの難聴対策は、新生児への聴覚スクリーニング検査 、18歳以上の聴覚障害者には年2回の聴力チェックの実施、難聴者に対する補聴器貸与などが実施されていた。また、高齢者自身による活動も活発であり、高齢者によるNPO AEdreSagen(エルドラセイエン)、聴覚障害を持つデンマーク人の利益保護を目的とした全国聴覚組織Hoereforeningen(ヒョーアフォイーニンゲン)があり、高齢者自身による様々な活動が行われていた。その内容は、若者への難聴教育、ナーシングホームへの訪問ボランティア、難聴者個人への電話や訪問による相談業務などを行い、難聴者のためのストラテジー獲得に向けて相談・教育活動がピア・サポートとし行われていた。Hoereforeningenに所属する高齢難聴ボランティア2名にインタビューし、難聴高齢者に対する情報提供・教育内容についてパンフレットも含め、資料を得ることができた。これらの内容は、今後の高齢者・看護師を対象とした本研究の研修会内容として役立つ、非常に有用な情報であった。 上記について、国内での2件の教育講演と学会発表を行い、その内容を社会へ発信することができた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
看護師への研修について、2019年12月より研修を実施予定の病院看護師との意見交換・企画などについて打ち合わせを行う予定であった。しかし、病院内にインフルエンザ患者が発生し、感染管理上、外部者(研究者)の病院内への立ち入り禁止措置がとられ、打ち合わせが延期となった。更に、2020年からのCOVID-19(新型コロナ感染症)の流行により、病院の方針として病院内へ立ち入り禁止、病院看護師の行動制限の措置がとられた。また、研究者らも移動などの活動自粛などにより、臨床の方との意見交換・企画の検討が全く行えていない。 特に、研修会の対象が、感染リスクの高い高齢者を対象とした入院患者と看護師であることから、両者らとの接触(会議)が困難である。
|
Strategy for Future Research Activity |
現在の課題は、COVID-19(新型コロナ感染症)の流行により、病院内へ立ち入り禁止ならびに高齢者・看護師との接触禁止、緊急事態宣言に伴う研究者の移動や研究活動の自粛などにより、臨床の方との意見交換・企画の検討が全く行えていない。 特に、研修会の対象が、高齢者を対象とした病院の看護師であることから、病院の高齢者・看護師との接触(会議)が困難である。COVID-19感染症の長期化が予測されるが、高齢者・看護師の安全を最優先することを鑑み、計画を変更せざるを得ない。病院看護師とのオンラインでの打ち合わせを行い、研修内容の確立を目指すこととする。高齢入院患者への教育研修の実施は、患者の感染予防の観点から実施しない方向とする。
|
Causes of Carryover |
COVID-19(新型コロナ感染症)の流行により、研修を依頼した病院内へ立ち入り禁止ならびに高齢入院患者・看護師との接触禁止、研究者の移動や活動自粛などにより、臨床の方との研修に関する意見交換・企画の検討が全く行えていない。研修会に企画や資料印刷などに予定していた費用を2020年度繰越しとした。 特に、研修会の対象が、感染リスクの高い高齢者を対象とした病院の看護師であることから、病院の高齢者・看護師との接触(会議)が困難である。COVID-19感染症の長期化が予測されるが、高齢者・看護師の安全を最優先することを鑑み、研究計画を変更し、病院看護師とのオンラインでの打ち合わせを行い、研修内容の確立を目指す。病院看護師とのオンライン会議のためのハード面・ソフト面での環境整備や教育パンフレットの完成とその印刷費用などに、繰越金および令和2年の交付金を含め使用予定である。
|
Research Products
(3 results)