2018 Fiscal Year Research-status Report
若年性認知症者就労支援スキル獲得のための職場内就労支援者向け学習プログラムの開発
Project/Area Number |
18K10624
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Research Institution | Kanazawa Medical University |
Principal Investigator |
池内 里美 金沢医科大学, 看護学部, 講師 (30727475)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
表 志津子 金沢大学, 保健学系, 教授 (10320904)
田中 浩二 金沢医科大学, 看護学部, 准教授 (40507373)
森河 裕子 金沢医科大学, 看護学部, 教授 (20210156)
入谷 敦 金沢医科大学, 医学部, 講師 (90595323)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 若年性認知症 / 就労支援スキルの獲得 / 学習プログラム |
Outline of Annual Research Achievements |
2018年度は,若年性認知症の人と職場で就労支援に関わる者および先駆的な就労支援経験を持つ職場適応援助者(ジョブコーチなど)に聞き取り調査を行い,多方面から本人の意向を含む就労支援方法を抽出する予定であった。若年性認知症の人が望む就労支援の要因について,本人と支援者の視点から探るために,個々のインタビュー方法を用いた定性的研究を用いて聞き取り調査を行った。研究者が所属する組織の医学倫理審査委員会の承認を得たのち,全国に点在している認知症の人と家族の会に研究参加者の募集を依頼した。しかし,就労中の若年性認知症者は殆どいないため研究参加者の募集に協力できないという回答であったため,講演活動を行っている若年性認知症者に直接依頼し,その後はスノーボールサンプリングで参加者の募集を行った。参加者は合計26人であり,うち11人は認知症と診断され,15人は支援者であった。若年性認知症者のうち9人は男性であり,2人は女性であった。7人は一般就労をしており,3人は休職して約1年,1人は退職して1年未満であった。病気の期間は2年から5年の範囲であった。支援者のうち,職場の支援者が6名,若年性認知症コーディネーターが3名,パートナーが2名,ジョブコーチが1名,障害者職業センター職員2名,妻が1名であった。本人のインタビューデータを分析し,7つの就労支援要因,すなわち病気を公表し支援を求める,会社と職場の理解,就労や社会参加への意欲,認知症と付き合う,診断の遅れと診断による苦悩,自他の偏見,社会支援の不足が確認された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2018年度の計画であるデータ収集は,概ね終了し,若年性認知症者11名のインタビュー分析についてもほぼ終了している。支援者15名のインタビュー分析は,6月末を目途に終了する予定であるため,2018年度の計画は概ね順調に進展していると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
2019年度は,プログラム内容の検討に向け,就労支援スキルの抽出と概念化(4月~10月)および『学習プログラム』の内容の構成と検討(11月~12月),受講者用学習テキストの作成(1月~3月)を予定している。 また,2018年度に予定していた国際学会での情報収集について,2019年10月22日からオランダで開催される認知症学会に参加し,学会発表を予定している。
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Causes of Carryover |
国際アルツハイマー病協会国際会議の出席を予定していたが,業務の都合で出席することができなかったため,次年度使用額が発生したが,2018年度に予定していた国際学会での情報収集について,2019年10月22日からオランダで開催される認知症学会に参加し,学会発表を予定している。また,情報収集及び成果発表のための旅費や英文校正,データ収集協力者への謝礼品に使用する。
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