2018 Fiscal Year Research-status Report
超高齢化ニュータウンにおける主体的な予防活動の動機づけ支援看護介入プログラム構築
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18K10625
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Research Institution | Seirei Christopher University |
Principal Investigator |
伊藤 純子 聖隷クリストファー大学, 看護学部, 助教 (10436959)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
深江 久代 静岡県立大学, 看護学部, 教授 (30300172)
鈴木 知代 聖隷クリストファー大学, 看護学部, 教授 (50257557)
杉山 眞澄 静岡県立大学, 看護学部, 准教授 (50781738)
高橋 佐和子 神奈川県立保健福祉大学, 保健福祉学部, 准教授 (80584987)
池山 敦 皇學館大学, 教育開発センター, 助教 (80758681)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | ニュータウン / 集積性 / 保健師 / 公衆衛生看護活動 |
Outline of Annual Research Achievements |
初年度は第一研究として質的調査を行った。高齢化の進展により人口構成に著しい偏りを生じた結果、健康問題が生じる恐れのあるニュータウンを対象として公衆衛生看護活動上の課題を分析し優先度の高い健康課題を焦点化することである。本研究の対象としたニュータウンは、a)1974年以前に造成、 b)調査開始時(2017年4月)に高齢化率21%以上、c)国土交通省の定義(2015)に該当する東海地区内4地区とした。この地区で活動する保健専門職、行政職員、地域づくり協議会役員等のキーインフォーマントを対象として半構成的面接法による個別インタビュー調査を実施した。インタビューガイドはCommunity AS partner model、Preceed-proceed Modelを基に構成した。得られたデータは逐語録を作成して内容分析を行った。項目を抽出した後はPRECEED-PROCEEDモデルによる分析と解釈を行った。質的コーディングの結果、[A] 糖尿病有病者が他地区と比べて少ない / 多い、[B] 特定健診受診率が他地区と比べ高いまたは低い、[C] 独居男性・高齢者のアルコール依存の困難ケースが多い、[D] 独居高齢者世帯の増加、要介護者の増加、[E] 災害時の被害拡大のリスクが高い可能性などの項目が抽出された。抽出された項目は、いずれも既に我が国で指摘されている全体的な健康課題の傾向から逸脱しないのの、ニュータウンでない地区と比べ現れが顕著であることが示唆された。ニュータウンはSES(Socio-economic Status)・年代・家族構成や環境などのコレクティブ要因の集積により、健康に関する指標において特徴が現れやすいという仮説を支持すると考える。本研究の成果は第7回公衆衛生看護学会において発表し優秀演題賞候補の選定を受けた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
概ね当初の計画通り進行しており問題はないと考える。
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Strategy for Future Research Activity |
2019年度は第2研究として2018年度の結果をもとにモデル図の作成と変数の選定を行い、量的アプローチによる仮説の検証を行う計画である。調査協力者のリクルートは第1調査において協力を得た関係機関に引き続き協力を依頼する予定である。成果の社会へ発信の一端として論文投稿中である他、専門誌への執筆が決定しており2019年12月掲載予定である。
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Causes of Carryover |
当初全国調査とする計画で旅費等を計上してあったものが、対象地区を東海地区に絞ったことにより当初予算を下回る実績となった。また、2年次に行う量的調査の実施において、作業の迅速さと正確性の向上を目的として一部業者委託を行うことを検討し、必要経費を確保できるよう予算を第2研究に計画的に流用できるよう図ったものである。
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Research Products
(1 results)