2019 Fiscal Year Research-status Report
地域医療を守るための男性退職者の健康づくりにおける自助共助感に関する研究
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18K10628
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Research Institution | Kansai University of Nursing and Health |
Principal Investigator |
伊木 智子 (伊木智子) 関西看護医療大学, 看護学部, 教授 (50331202)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古川 秀敏 関西看護医療大学, 看護学部, 准教授 (10316177)
小出水 寿英 関西看護医療大学, 看護学部, 准教授 (10352056)
山崎 智子 (森脇智子) 広島大学, 医系科学研究科(保), 助教 (20512510)
森花 美和子 関西看護医療大学, 看護学部, 助手 (40769923)
前田 則子 関西看護医療大学, 看護学部, 講師 (80513184)
川崎 裕美 広島大学, 医系科学研究科(保), 教授 (90280180)
西村 由実子 (橋本由実子) 関西看護医療大学, 看護学部, 准教授 (90548562)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 自助 / 共助 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究の目的は退職後の男性が捉える自助共助(自助共助感)の実態を明らかにすることである。具体的には、1.自助共助感の概念を明らかにする。2.自助共助感の構成因子について明らかにする。3.自助共助感を高めるための課題と方策を明らかにすることである。 2019年度は、これまでの研究フィールドとして関わっている自治体との協働で実施している退職後の男性を対象とした健康づくり・認知症予防事業を引き続き実施した。事業の参加者、および連携している自治体保健師より紹介された男性高齢者14人を対象に、インタビューガイドを用いて半構造化面接を実施した。インタビュー調査は自助、共助を対象者の視点から、その概念を明らかにしていくための基礎資料を得ることを目的とした。インタビュー内容は自助、共助についてどのようなイメージをもっているか、どのような取り組みをイメージするかについてである。質的帰納的方法により過疎地域の住民の自助の認知は67文節から構成され、22カテゴリが抽出された。共助の認知は150の文節から構成され、39のカテゴリが抽出された。自助は、自分を「助ける」「守る」「コントロールする「自分のことは自分でする」など自分を基本とした行動、姿勢であった。さらに「人と関わること」と他者との関わりから自身をコントロールすると捉えていた。共助は、自身が元気であることなど「自分が共助の基本となる」とした。「他の人を気にかける」「普段からの人間関係は共助をつくる」と普段の状態が示された。「皆が共助の考え方を意識する」「皆が自覚して努力する」と捉えていた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
他業務のため、本研究への着手が遅れた。インタビュー調査の実施までは終えたが、結果の分析に時間を要した。現在は、質問紙作成に向けて準備を進めている。質問紙調査の内容を検討する予定であったが、インタビュー結果について分析を重ね、質問紙作成準備に向けて準備を進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の計画として、2019年度の成果を国内学会及び国際学会で発表、論文化を進めていく予定である。2020年度は主たる研究フィールドとしてきた自治体に加え、さらなる研究フィールドの設定と調整の準備を進めていく。抽出されたカテゴリーを枠組みとした自助共助感に対する質問紙調査項目の抽出、量的調査を行うために準備を進めていく。また研究分担者との連携を密に行い、研究実施計画の調整を随時行って進めていきたいと考えている。
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Causes of Carryover |
インタビュー調査結果分析が長引き、質問紙項目内容の検討が遅れたため支払いが今年度に繰り越された。また研究の時期により学会発表等が困難であったため、旅費が未使用である。今後は質問紙調査作成費用、質問紙配布回収費用、得られたデータを入力するための委託料が必要となる。更に、得られた結果を発表する学会への参加費、旅費など、加えて学会誌に投稿するために、これらの費用も必要となる。
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