2021 Fiscal Year Research-status Report
認知症カフェの質保障と安定した運営に向けた評価指標の開発
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18K10644
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Research Institution | Toho University |
Principal Investigator |
鳥田 美紀代 東邦大学, 健康科学部, 准教授 (50325776)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉本 知子 北里大学, 看護学部, 教授 (00314922)
高柳 千賀子 東京情報大学, 看護学部, 准教授 (60310314)
佐瀬 真粧美 東邦大学, 健康科学部, 教授 (10225906)
谷本 真理子 東京医療保健大学, 医療保健学部, 教授 (70279834)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 認知症カフェ / 質評価 / 認知症 |
Outline of Annual Research Achievements |
令和2年度までの期間では、COVID-19の世界的な感染拡大を受け、インタビュー、ヒアリング等のフィールド調査の実施を控えていたこと、また、同じ背景により研究代表者の教育活動にかかる業務が多忙を極めたこともあり研究遂行が困難であった。令和3年度も年間を通して同様の状況が継続しており、研究期間の延長とスムーズな研究活動の遂行に向けた準備を行った。 まず、研究期間延長に伴う倫理審査の再申請手続きを行った。データ収集期間の延長、および感染予防に配慮したデータ収集方法について精査し、倫理審査再審査を申請した。令和3年度末の時点では、条件付き承認の結果を受け、引き続き承認に向けた手続きを進めている。 次に、研究計画の修正に向けた具体的な工夫、方法を検討する為、研究分担者とのオンライン会議を2回実施した。昨今の認知症カフェの近況について情報交換を行い、“単なる評価指標”ではなく運営者、ボランティア、参加者等カフェの当事者が“自らができていること”を評価できるツール開発の方向性を確認した。また、今後収集するデータにおいてはCOVID-19の影響が多大であることが予想されるが、パンデミックのみに偏った内容にならないように工夫し、認知症カフェのリスク管理に活用できるようなツール開発を目指すこととした。さらに、すでに終了したインタビュー協力者の意見として「(自分たちの取り組みが)他の人からどう見えているか、フィードバックが欲しい」という意見があったことを踏まえ、最終的に開発を目指すツールでは、このニーズに対応できる成果を目指すこととした。この他、倫理審査承認後のデータ収集の時期、依頼を予定しているカフェの運営者について、研究代表者・研究分担者の年間スケジュール、安全にデータを共有する方法、認知症カフェに関する動向の把握と情報収集等について意見交換し、今後の研究計画に反映することとした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
概ね昨年度と同様の理由により研究の遂行が遅れている。具体的には、COVID-19感染拡大により、高齢者等を対象として含む認知症カフェフィールドでのデータ収集が困難だったこと、同様の理由により、研究代表者の教育に関する業務量が多大であり、研究活動のための時間が確保できなかったことである。
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Strategy for Future Research Activity |
研究期間を延長し、必要に応じて研究計画の修正を検討しながら研修を推進する。具体的な方策として、①質的なデータ分析に解析ソフトを用いることを検討する、②当初の予定よりも研究対象者を減らし、対象者の背景や認知症カフェの多様性を考慮したサンプリングによりデータの多様性を補う工夫する、③オンラインインタビューに対応できるようなデータ収集環境を整備しておく、④計画的な研究の推進のため、定期的な研究者会議を開催することを検討する等を考えている。 なお、今後の研究の推進方策を検討するにあたり、令和3年3月に認知症カフェの運営者と面会し、昨今のカフェの運営等に関する情報を得た。その結果、令和2年度中は一時的にカフェの開催を中止していたものの感染対策の徹底、カフェのプログラムの工夫などを実施し、当該カフェによるCOVID-19の感染拡大等はないということであった。1か所のみのヒアリングであるが、適切な予防策を遂行することによってフィールドでの視察やデータ収集が不可ではないという反応を得ることができた。令和3年度中は、COVID-19による影響を懸念して、研究の依頼そのものを自粛していた経緯もあるが、令和4年度の研究活動においては、研究協力を依頼する各認知症カフェの運営者と共に、現場での研究活動に必要な要件や具体的な方法を検討しながら研究を推進することも必要であると考えている。
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Causes of Carryover |
今年度はインタビューに伴う交通費、謝金、データ書き起こし費用、関連する知見の収集、結果の公表のための学会参加費・旅費等の支出がなかったため次年度使用額が生じている。次年度の計画として、解析ソフトの活用、オンラインインタビュー・会議の環境整備、関連学会への参加等を検討しているため、ソフト、パソコン機器の購入、学会参加費等での研究費の使用を計画している。
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