2020 Fiscal Year Research-status Report
医療療養病床をもつ病院の地域連携室看護師における在宅療養移行支援モデルの開発
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18K10659
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Research Institution | Seirei Christopher University |
Principal Investigator |
豊島 由樹子 聖隷クリストファー大学, 看護学部, 教授 (80249234)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
兼子 夏奈子 聖隷クリストファー大学, 看護学部, 助教 (50805017)
河野 貴大 聖隷クリストファー大学, 看護学部, 助手 (80837849)
木下 幸代 聖隷クリストファー大学, 看護学部, 教授 (00095952) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 医療療養病床 / 地域連携室看護師 / 在宅療養移行支援 |
Outline of Annual Research Achievements |
傷病を抱えた人々が療養を続けながらも住み慣れた地域で生活できる地域包括ケアシステムの推進に向けて、医療的ケアニーズの高い患者が入院している医療療養病床においても、在宅療養移行は喫緊の課題である。医療的ケアニーズを有する患者と家族が長期に安定した在宅療養生活を送るためには、看護師が患者の病状変化や家族介護力を考慮して長期的な予後判断をもとに、地域の実情を踏まえて社会資源を効果的に活用する個別性の高い支援を行う必要がある。そこで、全国の医療療養病床をもつ病院の地域連携室所属の看護師に対して、在宅療養移行支援についての質問紙による実態調査、および在宅療養移行支援を積極的に実践している地域連携室看護師に対する面接調査から、医療療養病床をもつ病院の地域連携室看護師における在宅療養移行支援モデルを開発することを研究目的としている。 医療療養病床からの地域連携室看護師による在宅療養移行支援についての質問紙調査の結果、在宅療養移行支援内容として入院・転院前から療養者・家族に医療療養病床は終身の入院先でなく在宅療養移行も可能であることについて説明することが最も多く実施されていた。また、医療療養病床には在宅療養移行の困難な事例が多いため、地域連携室看護師は療養者・家族の在宅意思を見逃さず継続的に在宅療養に向けて働きかけること、ゆっくりと時間をかけて支援できること、地域の社会資源との密接な連携、診療報酬を意識した入退院管理が支援の特徴として考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
地域連携室看護師が行っている医療療養病床からの在宅療養移行支援内容を明らかするために、40床以上の医療療養病床をもつ病院の地域連携室看護師に対して質問紙調査を実施した。その結果、在宅移行支援を実施している地域連携室看護師は、入院・転棟前から療養者・家族に在宅療養について説明することを移行支援の起点としていた。また在宅療養移行には介護力や家族との関係性が大きく影響することから、院内・地域の多職種と連携して支援を進めることが示された。 地域連携室に看護師が配属されていない病院の看護部長に対して地域連携室に看護師の配置のない理由、連携室看護師による在宅療養移行支援の必要性について、質問紙調査を行った。地域連携室に看護師配置のない理由としては、看護師不足のため配置できない、療養者・家族からの在宅療養の希望がない,医療ケア度が高い、看取りの療養者のため在宅療養できない、などがあげられた。連携室看護師による在宅療養移行支援の必要性については、約半数が必要と捉えており、地域連携室看護師に求める役割として、家族への在宅療養指導、医療的ケアを含めたサービス調整、医師・MSW・ケアマネジャーとの連携、看護師スタッフの在宅意識の向上が示された。 さらに医療療養病床をもつ病院の地域連携室看護師の実践における特徴を明らかにするため、在宅療養移行支援を積極的に実践している地域連携室看護師に対する面接調査に取り組んでいたが、新型コロナウィルス感染症の蔓延により予定する対象者数が得られなかった。そのため、所属大学の倫理委員会に、調査期間の延長・研究対象者選定方法に機縁法を追加、希望によりオンライン面接も使用について、変更申請を行い承認された。それをもとに対象者獲得にむけて働きかけている。
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Strategy for Future Research Activity |
面接調査の対象者が5名まで増加したので、得られたデータの質的分析を進める。機縁法を利用して、インタビューを終了した対象者に対象候補者の紹介を依頼し、対象者獲得に努める。 既に終了している質問紙調査結果と、面接調査の結果を統合して、医療療養病床をもつ病院の地域連携室看護師の在宅療養移行支援モデルを構築する。
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Causes of Carryover |
新型コロナウィルス感染症の全国的蔓延に伴い、面接調査の対象者が予定通りに得られなかったため研究期間を延長した。研究方法の変更についても、所属大学の倫理委員会に変更申請し承認が得られたので、機縁法を用いて対象者数の増加をはかる。また面接調査結果の分析を行い、既に終了している質問紙調査結果と統合して、報告書を作成する。 使用計画:インタビューにおける交通費、対象者への謝礼、テープ起こし、報告書作成費用 等
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Research Products
(2 results)