2018 Fiscal Year Research-status Report
Condition of elderly parents and socially withdrawn elderly people as perceived by visiting nurses and the development of a comprehensive support model
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18K10664
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Research Institution | Tenri Health Care University |
Principal Investigator |
岡本 響子 天理医療大学, 医療学部, 教授 (60517796)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松浦 美晴 山陽学園大学, 総合人間学部, 准教授 (00330647)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | ひきこもり / 高齢 / 親 / 訪問看護 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、訪問看護師が把握する高齢の親及び高齢ひきこもり者の実態の把握と包括的支援モデルの構築である。筆者はこれまでの研究で訪問看護師と親子の関わりを調査し、当事者が親の介護を通して成長する姿をとらえた。一方で、当事者支援は看護師の個人的努力に負う点が大きいため、支援の手からこぼれおちる当事者もおり、継続的なサポートが難しいという問題が顕在化した。本研究では訪問看護師が把握する、介護が必要になった高齢の親及び同居する主として40歳以上のひきこもり当事者の実態と当事者への継続支援が困難になる要因を明らかにする。初年度は訪問看護をきっかけにひきこもり当事者が社会資源や支援に繋がった事例と繋がらなかった事例について訪問看護ステーションに所属する看護師への聞き取り調査を実施した。まず、先進的な取り組みで継続支援の成果を上げている訪問看護ステーションに、支援に繋がった事例の実際や地域連携において成功している要因、地域包括ケアシステムのあり方などについて聞き取り調査を行った。また、親への訪問終了と同時に当事者との関係が途絶えた事例についても、調査協力者が考える問題点や必要と考える地域包括ケアシステムのあり方などについて聞き取り調査を行った。 当初の計画では訪問看護ステーションのみへの聞きとり予定であった。しかし、課題に入る前にひきこもり当事者及び親の支援に深く関わっている、社会福祉協議会職員や高齢ひきこもり当事者への就労支援を行っている事業主などへも事前の調査が必要と考えて聞きとりを行った。現在聴取内容を逐語化し分析を行っているところである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
当初の計画では10施設の訪問看護師への聞きとり予定であった。しかし、問題や課題を明確化し、質的及び量的調査に繋げるためには看護師以外の他職種に対しても聞きとりが必要であると考えた。その結果、課題に入る前にひきこもり当事者及び親の支援に深く関わっている、社会福祉協議会職員や高齢ひきこもり当事者への就労支援を行っている事業主など、関連他職種への聞きとりを行ったために、本年度実施予定の訪問看護師への聞きとり調査が遅れる結果となった。
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Strategy for Future Research Activity |
10か所の訪問看護ステーションに所属する訪問看護師に対し、ひきこもり当事者が社会資源・支援に繋がった例と繋がらなかった例の聞き取り調査を完成させる。当初の予定では訪問看護師のみが聞き取り調査の対象であったが、追加で地域包括支援センター職員にも聞き取り調査を実施していくこととする。 データは逐語録を作成し、コード化、カテゴリ化し質的に分析する。カテゴリをもとに質問項目を作成し、訪問看護ステーション及び地域包括支援センターへのアンケート調査を実施する予定である。
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Causes of Carryover |
当初の計画では、2018年度に10か所の訪問看護ステーション及び訪問看護師にインタビューを行い、データ分析する予定であったが研究に遅れが生じたため、予算を執行することができなかった。 【使用計画】遅れている(2018年度分の)調査を、2019年度に実施し分析する予定である。
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