2021 Fiscal Year Annual Research Report
Condition of elderly parents and socially withdrawn elderly people as perceived by visiting nurses and the development of a comprehensive support model
Project/Area Number |
18K10664
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Research Institution | Tenri Health Care University |
Principal Investigator |
岡本 響子 天理医療大学, 医療学部, 教授 (60517796)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松浦 美晴 山陽学園大学, 総合人間学部, 准教授 (00330647)
上山 千恵子 関西医科大学, 看護学部, 助教 (90751587)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 8050問題 / 高齢の親 / 壮年期ひきこもり者 / 訪問看護 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では「8050」問題を経験している訪問看護師に焦点を当て、直面する問題点、親と子が安心して地域で生活できるための支援について探求した。全国2500か所の訪問看護ステーションに調査票を送り、383件から回答を得た(回収率15.3%)。調査の結果、訪問看護師は、「80」にあたる高齢の親への訪問で、偶然を含み「50」にあたるひきこもり傾向にある当事者と出会っていた。在宅看護が専門である訪問看護師からみて、「50」の半数以上が何らかの精神科的問題を抱えていると予測された。訪問先での看護師の支援内容は多岐にわたった。まずは訪問先のルールを尊重し、介護者である「50」当事者を混乱させないという配慮が行われていた。「50」当事者からの相談事に対しては話の傾聴やアドバイスに加え、ケアマネ・行政につなげる、精神科病院につなげるなど社会資源を前提とした問題解決的な支援も行っていた。さらに、看護チームでの情報共有が行われていた。一方で、精神科に特化した訪問看護師に尋ねるとすれば何を知りたいかという問いに対し、コミュニケーションの方法を知りたい、「50」当事者に対する支援のポイントを知りたい、具体的にケースを通して教えてほしいなど、日々手探りで「50」を含めた家族全体を看護している実態があった。支援モデルの構築を見据え、調査の結果を、ひきこもり支援に携わる社会福祉協議会の職員や、ひきこもり支援に当たる団体の代表、「8050」問題に関心がある複数の訪問看護師に確認していただき意見を交換した。支援者からは今後はひきこもっている当事者が親の介護を担うケースが増えていくだろう。一方で今もニーズが見えにくいため包括をはじめ支援者との温度差がある、連携はしていかないといけないが介入が難しいといった課題が出された。今後も支援者が繋がりながら「50」への支援の切り口を拡げていく必要が確認された。
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