2018 Fiscal Year Research-status Report
点うち課題アプリによる注意制御能力評価に基づく活動能力スクリーニングテストの開発
Project/Area Number |
18K10707
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
二木 淑子 京都大学, 医学研究科, 客員研究員 (40300074)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
稲富 宏之 京都大学, 医学研究科, 教授 (10295107)
小山 真紀 (田原真紀) 岐阜大学, 流域圏科学研究センター, 准教授 (70462942)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | データ収集 / 健常高齢者 / 疾患データ / 誤反応データ処理 / 質的分析 |
Outline of Annual Research Achievements |
2018年度においては、研究計画書に示した予定通り、検査の標準化を図るための、点うちテストと関連検査成績の高齢者データのデータ収集とモデル症例の作成のための失調症およびパーキンソニズムを示す疾患データの収集を行った。高齢者データは約60症例、若年者20症例、疾患データはおよそ6症例を収集した。 健常および症状による誤反応のカテゴライズなどの質的分析を行いつつ、そのデータ処理の方法について検討中である。本検査は刺激音に合わせて同心円ターゲットの中心点を的に点を打つ、点うちテストの開発であるが、刺激音について一定リズムの課題では、刺激音よりも早く点を打つ行動が観察される。そのほかの誤反応としては、お手付きと刺激音の聞き落としが健常でも観察される。これらは観察や内観情報によってカテゴライズすることが可能であるが、数量的な処理に関して、詳細な検討を必要をした。健常者の反応と疾患群での反応を分析するための基本として、病的な誤反応を含めてすべての誤反応を網羅していく必要があるため、多彩な高齢者データを60症例収集し、疾患データ6例を追加収集し、点うちテストに影響する因子を分析するために疾患群との対比を行い健常の定義を明確にしようと今年度検討を進めてきた。疾患データは症状とその重症度がバラバラなため、より多くのデータを収集中である。ビデオ画像の観察も含めて、典型的なデータをもとに誤反応を洗い出している。 開発中の点うちテストの新規性は、一定間隔の刺激音に対する反応と、特定の刺激音にのみ反応する両課題の乖離をどのようにし評価するかであり、誤反応処理を行った後のデータで解析するため、生データのパターンを視覚分析しその特徴を検討中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
誤反応処理の質的分析を行うため、ビデオ撮影での検討や疾患データの分析を追加する必要から、医の倫理審査の追加変更等の事務処理を行う必要があり、その間データ分析や収集に滞りが生じ、時間を要した。
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Strategy for Future Research Activity |
今後標準化のため健常者データ等の補強を行っていく予定である。また疾患群については対象コントロールを用い、その比較により症状の影響を分析し、検査としてのカットオフを求めていくことを考えている。 テストに含まれる2課題の成績の乖離をどのようにし評価するかを探索しつつ、認知機能と関連があるのか検討していく予定である。 誤反応処理の方法が確立したら、基本統計が行えるので次の分析に進展できる予定である。 分析方法までが確立した時点で、関連学会での公表を予定している。
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Causes of Carryover |
年度末3月に行った研究打合せの参加者が、予定より1人減ったため、次年度使用額が生じた。次年度の旅費あるいは、研究成果発表のための学会参加旅費及び参加費に使用する予定である。
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