2020 Fiscal Year Research-status Report
視覚障害者の運動機能の特徴とバイオフィードバックを用いたトレーニングに関する研究
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18K10883
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Research Institution | Tsukuba University of Technology |
Principal Investigator |
井口 正樹 筑波技術大学, 保健科学部, 准教授 (20637087)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | ジャンプ動作 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の全体像は、身体の変化を音の変化として動作している者にリアルタイムでフィードバックする聴覚バイオフィードバックの視覚障害者への応用である。具体的な目的は、視覚障害者が反動ありのジャンプ動作(立っている状態から一度しゃがみ込み、反動をつけての垂直跳び)で、より高く跳ぶためのトレーニングにおいて、聴覚バイオフィードバックが動作改善に貢献するか、を検討することである。反動ありのジャンプ動作でより高く跳ぶには、より素早くしゃがみ込むことが必要である。当該年度以前の実験から、視覚障害者の反動ありのジャンプ動作は、動作自体が小さいわけではなく、動作、特にしゃがみ込みの動作の速度が遅いことが明らかとなった。視覚障害者は周囲の状況把握が視覚を通して行いづらいため、ジャンプ動作のような大きく素早く動く動作において慎重になりすぎることが知られている。当該年度では、しゃがみ込み動作をより素早く行うために最適な聴覚バイオフィードバックシステムの構築を主に行なった。まずは音のデザインから始め、どのような音がこの目的を達成するために最適か、を検討した。次にこの音をいかに身体動作から遅れることなく再生できるか、を検討した。ジャンプ動作は、さまざまなスポーツで行う基本的かつ共通した動作でありながら、視覚障害者、特に全盲の視覚障害者はこのような動作が一般的に不得意と言われている。本研究は、より効率的かつ効果的なジャンプ動作のトレーニング方法の確立に貢献できると考える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
今後使用する聴覚バイオフィードバックのシステム構築に時間が予想よりもかかった。反動ありのジャンプ動作はとても短い(1秒程度)であるため、可能な限りフィードバックに遅延なくリアルタイムで動作を音にする必要があり、それに時間を要した。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は今まで明らかとなった改善すべき点(しゃがみ込み動作が遅い)を聴覚バイオフィードバックで実際に改善できるか、を聴覚バイオフィードバックなしと比較して検討していく。
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Causes of Carryover |
音デザインの決定や遅延の少ない聴覚フィードバックシステム構築の遅れによる、予算執行の遅れ。今後の実験で、筋電センサの購入等の物品費や謝金として使用予定。
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