2018 Fiscal Year Research-status Report
頚動脈小体シナプス可塑性を応用した本態性高血圧治療法および予防法の開発
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18K10999
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Research Institution | Kokushikan University |
Principal Investigator |
日下部 辰三 国士舘大学, 体育学部, 教授 (80117663)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
羽田 克彦 国士舘大学, 体育学部, 准教授 (60506228)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 頚動脈小体 / シナプス可塑性 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、頚動脈小体と本態性高血圧の関連性をシナプス可塑性の面から解明し、新たな非侵襲・非薬物的高血圧治療法や予防法の開発に繋げることである。頚動脈小体制御による高血圧治療法もいくつか提案されているが、それらは手術や薬物投与を伴い、既出の治療法と同様に侵襲的であることや副作用があるという問題を抱えている。そこで我々は頚動脈小体の感覚神経終末に着目し、グルタミン酸NMDA型受容体を介したシナプス可塑性の解明を手掛かりに、rTMS(反復経頭蓋磁気刺激法)法を応用した手法により頚動脈小体を制御する新たな本態性高血圧治療法や予防法の開発を進める。 今年度においては、オスのWister rat 200g(8週齢~9週齢)に対してウレタン麻酔(1000mg/kg)を行い、観血的血圧測定を行った後、頚動脈小体に対して電気刺激実験を行った。その結果、ある特定の条件下においては血圧低下がみられることが観察された。この結果により、適切な強度の時間変動磁場を用いることによって非侵襲的に頚動脈小体を刺激することで血圧低下を促すことが可能であることが示唆された。さらに、予備的実験として、VMAT1とVMAT2に対する抗血清で免疫染色し、化学受容細胞のタイプを分けを試みた。現在は、ラット頚動脈小体を磁気刺激するための鉄心コイルを開発中であり、次年度以降に繰り返し磁気刺激(repetitive magnetic stimulation)を行う予定である。 本研究をさらにすすめることによって新規かつ非侵襲的な高血圧治療法の開発に繋がることが期待される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ラット頚動脈小体の電気刺激に関しては、実験方法の習熟および確立が有る程度可能となり、強い電気刺激による血圧変動を観察することが出来た。さらに次年度以降の研究に必要な磁気刺激装置の作成を進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度以降は、ラットCBの磁気刺激実験を行う予定である。また、電気刺激および磁気刺激によってシナプス可塑性が誘導されているかを組織学的に検証する予定である。
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Causes of Carryover |
次年度以降、ラット頚動脈用磁気刺激装置の作成を進め、刺激実験を行う予定である。よって、装置作成にかかる費用等を次年度以降に追加請求する。
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