2018 Fiscal Year Research-status Report
タンパク質分解系を介したコーヒー成分による生活習慣病予防の分子メカニズムの解析
Project/Area Number |
18K11109
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
田村 悦臣 慶應義塾大学, 薬学部(芝共立), 教授 (50201629)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
多胡 めぐみ 慶應義塾大学, 薬学部(芝共立), 准教授 (30445192)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 生活習慣病 / 抗炎症 / コーヒー / カテコール |
Outline of Annual Research Achievements |
コーヒーの習慣的飲用が様々な生活習慣病の予防効果があることが、疫学研究などにより示されているが、そのメカニズムについては不明な点が多い。本研究では、特に、多くの生活習慣病のリスク要因となっている肥満と炎症に対するコーヒーの効果を、分子レベルで明らかにすることを目的としている。2018年度では、抗炎症効果について、LPSにより炎症を惹起したマウスマクロファージ様細胞RAW264.7細胞を用いて、コーヒーの抗炎症効果を示す成分の同定を検討した。 コーヒーの抗炎症効果はカフェインに活性がなかったので、デカフェコーヒーを用いることとした。LPSにより誘導される炎症マーカーであるNO産生の抑制活性を指標として、深煎りデカフェコーヒー豆抽出液を、有機溶媒で活性を分離後、活性のあった酢酸エチル画分について逆相カラムにより分離を試みた。その結果、3つの活性ピークが認められた。その活性をさらにHPLCで分離し、NO産生抑制活性成分の候補として3種のカテコール(hydroquinone、pyrocatechol、4-ethylcatechol)を同定した。 次に、得られた3種のカテコールについて、さらに詳細に抗炎症効果を検討した。その結果、3種ともに、LPSによるNF-kBの核内移行やIκB mRNAの発現誘導を抑制し、LPS刺激後のIκBαの再合成を抑制したことから、LPS刺激によるNF-κBの活性化を阻害することにより、NOやCCL2の産生を抑制すると考えられる。3種のカテコールのうち、ピロカテコールが主成分であることから、コーヒーの抗炎症効果の主体は、クロロゲン酸から焙煎により生成するピロカテコールであると考えられる。今後、ピロカテコールの抗炎症効果についてさらに詳細に検討するとともに、敗血症モデルマウスに対する予防効果を検討する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画書とは異なる方法ではあるが、コーヒーの抗炎症効果を示す活性成分を同定できた。字数の都合で概要には記載していないが、コーヒー活性成分のNrf2活性化についても示すことができている。
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Strategy for Future Research Activity |
今回同定した活性成分のうち、ピロカテコールについて、炎症モデルマウスを用いて、コーヒーと同程度の効果があるかどうかを検討する。また。別の研究テーマである抗肥満効果についても、ピロカテコールに活性があるかどうかを調べ、メカニズムを明らかにする。
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Causes of Carryover |
予定していた海外での学会発表を取り止めたため。次年度、その分の海外での学会発表を行う予定である。
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Research Products
(8 results)