2018 Fiscal Year Research-status Report
血漿蛋白とミネラルネットワークの栄養調査にもとづく解析と真の欠乏症の判定
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18K11118
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Research Institution | Nakamura Gakuen College |
Principal Investigator |
森山 耕成 中村学園大学, 栄養科学部, 教授 (10265275)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
荻本 逸郎 中村学園大学, 栄養科学部, 教授 (30177159)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | ミネラル / 亜鉛 / 銅 / CRP / 鉄 |
Outline of Annual Research Achievements |
(1)共同研究施設である病院Aに1年以上入院中の高齢者64名の診療情報を取得した。 <1>このうち、60名の血液ルーチン検査と亜鉛等の測定を、47名にはテーストディスクによる味覚検査を行った。結果の予備解析では、体重やBMIが低いほど4味とも鈍感になる傾向があった。血清亜鉛濃度の低値との因果関係は明らかではなかった。 <2>前年度までに収集した52名の結果を合わせた解析では、血清アルブミン値のみならず、ヘモグロビンなどの赤血球指数、総コレステロール値、および中性脂肪値が血清亜鉛濃度を推定する指標となることが明らかになった。 (2)共同研究施設である病院Bに入院された297名の血液のルーチン検査結果と血清亜鉛濃度を解析した。 <1>CRP高値者は血清亜鉛が低値となる傾向が判明した。 <2>CRPが上昇していない対象者に限定した解析では、血清アルブミン濃度と血清亜鉛濃度が相関していた。並行して、そのほかのルーチン検査項目との関係について解析を進めている。 (3)ウィルソン病患者に対応する食事設計を目的として、日本食品標準成分表に収載されている食品について、銅の含有量と他のミネラルの含有量の割合を検討した。また、日本人の食事摂取基準や国民健康・栄養調査の結果をもとに、日常食からの銅摂取量を網羅的に検討した。その結果、銅の1日摂取量のうち30-60%は、主食の米飯やパン、麺類から由来していること、および、銅含有量が多い食品は亜鉛や鉄など、銅以外のミネラルの含有量も多い傾向があることが判明した。これまでに提唱されてきた"銅制限食"により不足をきたす可能性のあるミネラルについて検討している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
共同研究施設の病院Aでの参加者への説明と同意が目標数に達していない。
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Strategy for Future Research Activity |
亜鉛の過不足に関して、in vitroでは亜鉛存在下に活性を持つACEの抗原量と活性を測定し、血清亜鉛濃度との関係を明らかにする。味覚検査は、液体を口に含む方法に変更する。亜鉛と銅以外のミネラルの実測値について統計解析を進める。
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Causes of Carryover |
研究参加者が予定を下回ったため、血液検査費用(直接経費の「その他」)が少なくなった。この次年度使用額は、次年度における血液検査費用に充当する。
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