2019 Fiscal Year Research-status Report
血漿蛋白とミネラルネットワークの栄養調査にもとづく解析と真の欠乏症の判定
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18K11118
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Research Institution | Nakamura Gakuen College |
Principal Investigator |
森山 耕成 中村学園大学, 栄養科学部, 教授 (10265275)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
荻本 逸郎 中村学園大学, 栄養科学部, 教授 (30177159)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | ミネラル / 亜鉛 / 銅 / 鉄 / セレン |
Outline of Annual Research Achievements |
(1)前年度に引き続き、複数の病院において、療養病棟に6か月以上入院している中高年の男女を対象として調査を行っている。結果の中間集計では、血清亜鉛濃度が血清アルブミン濃度と正相関を示した。血清亜鉛濃度と爪の亜鉛濃度とは一定の相関傾向が認められたが、食事からの摂取量とは相関が認められなかった。すなわち、血清亜鉛濃度は亜鉛結合蛋白のひとつであるアルブミン濃度に大きく依存していることが示唆された。血清亜鉛低値をもって直ちに亜鉛欠乏症と診断することは難しく、血清亜鉛検査値の解釈には注意を要すると考えられる。 (2)亜鉛の過剰な経口補給は銅欠乏をきたすことが知られているため、亜鉛治療開始の判断に有用な他の指標を検討している。また、血清亜鉛濃度と味覚感度についても調査を進めている。 (3)同時に、対象としている長期療養者において、血清中の銅、セレン、クロム、マグネシウムなどの濃度の相互関係、および、食事摂取量との関係について解析を進めている。 (4)慢性C型肝炎などにおいて瀉血や鉄制限食が有効であることが報告されている。しかし、具体的な献立は公表されていない。日本食品標準成分表をもとに、食品ごとの鉄とその他のミネラルの含有比について検討した。その結果、レバー(牛肝など)は鉄を極端に多く含むが他のミネラルは桁違いに少ないため、献立から排除できることが判明した。次に比較的鉄を多く含有する穀類や魚肉などは、鉄以外のミネラルも多く含む傾向があるため、食事摂取基準を満たすためには、献立からの排除が難しいことが判明した。これらの結果をもとに、鉄を1日7mgに制限した献立を立てる際のツールを提案する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
共同研究施設のうちひとつの病院において参加者が目標数に達していない。
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Strategy for Future Research Activity |
亜鉛の過不足に関して、in vitroでは亜鉛存在下に活性を持つACEの抗原量と活性を測定し、血清亜鉛濃度との関係を明らかにする。味覚検査は、液体を口に含む方法により行う。亜鉛と銅以外のミネラルの実測値について統計解析する。
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Causes of Carryover |
研究対象者が目的数に達しておらず、血清ミネラルの測定が予定どおり実施できなかった。この次年度使用額は、2020年の血清や爪のミネラルの測定、および、その解析のための統計ソフト使用料等に充てる。
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Research Products
(2 results)