2020 Fiscal Year Annual Research Report
Development of an assessment scale for sleep disturbance among the older adults and its association with physical frailty and disability
Project/Area Number |
18K11122
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Research Institution | National Center for Geriatrics and Gerontology |
Principal Investigator |
中窪 翔 国立研究開発法人国立長寿医療研究センター, 老年学・社会科学研究センター, 研究員 (10707889)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 睡眠障害 / 高齢者 / 身体的フレイル |
Outline of Annual Research Achievements |
睡眠障害は、高齢期に生理的予備能が低下することでストレスに対する脆弱性が亢進し、生活機能障害、要介護状態、死亡などの転帰に陥りやすい状態である“フレイル”や死亡率の上昇のリスクの一つであり、高齢者の健康に重大な悪影響を及ぼすことが明らかになっているため、睡眠状況を正確に把握し、その後の機能低下予防につなげることが喫緊の課題と言える。本研究は、本邦における高齢者の睡眠状況及び特有の問題を主観的かつ正確に評価するために、高齢者に多い個々の睡眠障害についての評価が不十分であった従来の尺度の問題点を解消した新たな評価尺度を開発することを目的とした。文献レビューおよび老年学に精通した複数名の専門家によるブレインストーミングを実施し、睡眠時間や睡眠の質などの睡眠状況の評価を加えて、高齢期に特に訴えが多い問題を中心とした睡眠障害の評価項目の案を抽出した評価尺度を作成した。地域在住高齢者を対象とした高齢者機能健において、作成した尺度を用いて睡眠実態調査および身体的フレイルの評価(J-CHS基準)を行った。作成した睡眠尺度の得点は身体的フレイルの状態によって有意な差が認められ、身体的フレイルの状態の進行によって睡眠の状態が悪いことが示唆された。また、ベースラインとなる横断的調査後の2年間における、新規要介護認定の発生の有無との関連性を検討したところ、本尺度と要介護状態の新規発生との関連性が確認された。高齢者の機能低下予防をはかるために、本尺度による睡眠状況の把握の重要性を示すことによって、高齢者の睡眠のスクリーニング評価をするうえでの新たなゴールドスタンダードとなる可能性があると考える。
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Research Products
(1 results)