2021 Fiscal Year Annual Research Report
The influence of brain-gut correlation system disturbance on the small intestinal villus morphology and the specific function of small intestinal epithelial cells.
Project/Area Number |
18K11123
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Research Institution | Doshisha Women's College of Liberal Arts |
Principal Investigator |
鈴木 拓史 同志社女子大学, 生活科学部, 准教授 (50587110)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 脳腸相関 / 自律神経経路 / 小腸機能 / 消化・吸収機能 / 腸管バリア機能 / 小腸絨毛形態 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、健常な小腸機能の維持のために脳腸相関システムの正常化が必要不可欠であり、それが健康寿命の延伸に繋がることを証明するために、脳腸相関システムを構成する「求心性自律神経経路」と「遠心性自律神経経路」が小腸機能の調節にどのように関与しているかを明らかにすることを目的とした。本年度は、とくに求心性自律神経経路の関与についてを中心に解析した。その結果、消化管管腔内からの食餌由来の刺激を受け取る求心性経路を介した神経性刺激が遮断された場合でも、1日に必要な食餌摂取量が満たされていれば小腸機能は維持されることがわかった。一方で、求心性経路が遮断された状態で、摂餌量が制限されると、二糖類分解酵素やタイトジャンクション形成タンパク質の遺伝子発現レベルが顕著に増大することが明らかとなった。このことから、少ない摂餌量であったとしてもそれを効率的に消化・吸収するための代替効果が働いたと示唆された。一方、タイトジャンクション形成タンパク質の増大変化に関しては、代替効果の作用と協調する形で増大したと考えられるが、求心路を遮断することとの関連性は不明である。以上のことから、小腸絨毛機能の恒常性は、自律神経求心路を介した刺激によって調節されているわけではなく、小腸上皮細胞に対する食餌に由来する栄養成分の直接的な作用とそれら栄養成分が血液中に移行した際に分泌される内在性ホルモン等により維持されていることが示唆された。
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