2020 Fiscal Year Research-status Report
多変量楕円母集団の下での新たな検定手法の開発とその応用
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18K11198
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
岩下 登志也 東京理科大学, 理工学部教養, 准教授 (20266919)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 楕円対称性 / 一様性検定 / Stiefel 多様体 |
Outline of Annual Research Achievements |
スチューデント化した残差確率行列を検定統計量として利用する上で必要となる、行列変数球形分布に関するFang and Chen(1986, J. Math. Res. Exposition)の公開問題の証明に成功した。また、楕円対称性検定の重要な役割を果たすシュティーフェル多様体上の一様性の検定法について、試行錯誤の結果、非母数統計理論で用いられるV-統計量に基づく検定方法を構成することにより、既発表の手法よりも検出力の指標において、優位性を示す検定法を提案することに成功した。この2つのことにより、第1種の過誤を指標とする数値実験を実施し、公開問題の証明を含めてまとめたものを学術雑誌に投稿、発表することができた(Iwashita, T. and Klar, B. (2020). A necessary test for elliptical symmetry based on the uniform distribution over the Stiefel manifold. SUT Journal of Mathematics.)。本研究結果の副産物として、シュティーフェル多様体上の一様性に関する新たな検定法が考案でき、この方法が、高次元データに関する検定問題に応用できることが判明している。この問題について共同研究者との協議を始めており、準備段階の数値実験等を実行しているところである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
本課題の目的であった楕円対称性の検定問題について、既存のシュティーフェル多様体上の一様性検定の代替法を考案することにより、解決することができた。数値実験を交え、新たに提案する手法の性能評価を実施、良好な結果を得ることができたため、学術論文としてまとめ、公表することができた。また、論文作成の段階でシュティーフェル多様体の性質を利用して、高次元の多変量解析理論の構築が可能ではないかとの論文共著者からの指摘があり、次の段階への進むべく準備をしている。
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Strategy for Future Research Activity |
本課題の中心的役割を果たすシュティーフェル多様体上の一様性検定の方法論に関しては、改良の余地があると思われる。したがって、検定方法の性能向上もために、改良や新たな手法の開発が必要であると考えている。また、Stiefel多様体の性質を利用することにより、高次元多変量解析における諸問題に応用可能であることが判明した。この問題については、すでに長年にわたり共同研究を行ってるDr Klar氏に加え、彼の同僚であるDr Ebner氏を迎え初期の数値実験を既に実施している。
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Causes of Carryover |
世界的コロナウィルス蔓延による、国際会議、海外在住共同研究者との打ち合わせ等の中止のため、当初の計画を変更せざるを得ない状況となったため。現時点では、2022年に計画されている国際会議への出席のために使用する予定である。
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