2018 Fiscal Year Research-status Report
自己主体感が内的動機づけに与える影響と運動学習への効果
Project/Area Number |
18K11504
|
Research Institution | Ibaraki Prefectural University of Health Science |
Principal Investigator |
川野 道宏 茨城県立医療大学, 保健医療学部, 准教授 (00404905)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
門間 正彦 茨城県立医療大学, 保健医療学部, 教授 (10274987)
川野 亜津子 筑波大学, 医学医療系, 准教授 (10550733)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
|
Keywords | 自己主体感 / 内的動機づけ / 時間関連付け効果 / 運動学習効果 |
Outline of Annual Research Achievements |
実験系の構築に向けて,自己主体感を付加する運動課題の検討を行った.運動課題の候補として「Sequential Finger Tapping Task」(任意に配置された4つのボタンをある法則に従って押していく課題)を設定し,ボタン押しの反応時間とエラー率を得られるプログラムの検討を行った.次に,自己主体感の付加方法の検討として,運動課題の内容(ボタン押しの順番)を自身で決めてもらうグループと,こちらから指定した順番で押してもらうグループの2群を設定し,課題実施後に,行った運動に対する自己主体感の違いが生じるかを自己主体感の評価尺度を用いて検証した.各グループそれぞれ6名ずつで検討した結果,有意な差が認められなかったため,引き続き条件の検討,対象者の属性,例数,評価方法,付加方法等の検証を行っていく. 時間関連付け効果のデータ取得方法の検討を並行して行った.時間関連付け効果を検証するためには行為の開始と結果の2点の時刻を把握する必要がある.そこで,4つのボタンを最初に押し始めたタイミングを行為の開始,最後のボタン押しから250msec後に音が鳴る設定を検討し,これを行為の結果として,その2点の時刻をモニター上で時計回りに一定のスピードで回転する点の位置として認識できるシステムの構築を計画した.現在,2019年度前期をめどにプログラムの構築を進めている. また,実験中のストレス状況・心理状態の把握に向けて測定すべき従属変数として,生体指標として唾液中コルチゾール・S-IgA,心理指標として状態-特性不安尺度を示すSTAI(State Trait Anxiety Inventory)の有用性・妥当性を検討した.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
自己主体感の付加方法について引き続き検討を要するものの,実験系の構築についてはおおむね予定通りに進んでいる.
|
Strategy for Future Research Activity |
2019年度は引き続き実験系の構築をめざし各実験条件の検討を進めて行く.また,各実験条件の検討にめどが立った段階で,MRI室内での実験に向けてのプロトコールの検討と機器のセットアップを行う.自己主体感の付加方法と評価方法に問題が残されており,本年度はこれらの検討を慎重に進めて行く.付加方法については,「ボタン押しの順番を自身で決めてもらう」以外にも,課題を自身で行っていると強く実感させるような条件(反対に自身で行っていないと強く実感させるような条件)を検証し,より自己主体感を操作できる方法を検討していく.
|
Causes of Carryover |
2018年度は自己主体感を付加する運動課題の検討に多くの時間を要した.これらの検討には,すでに研究室にある既存のツールを用いることができたため費用は発生しなかった.時間関連付け効果のデータ取得方法の検討については,初期計画として2018~2019年度での検討を予定しており,プログラム作成のソフトウェアの購入を2018年度としていたが,2018年度はデータ取得のシステムの構築計画に時間を要したことから,プログラム作成の段階までには至らず購入を2019年度へと延長した.他に,fMRI取得データの解析のためのコンピューターおよびソフトウェアの購入を2018年度に予定していたが,本実験となるfMRIを用いた実験は2020年度になることから,2019年度以降の選定・購入へと予定を変更した. 使用計画 プログラム作成ソフトウェア,fMRI取得データの解析のためのコンピューターおよびソフトウェアの購入の他,実験研究にかかる備品費,消耗品費,被験者への報償費および学会での発表や論文投稿費として使用する.
|