2020 Fiscal Year Research-status Report
ソーシャルメディアを利用した妊娠期からの育児支援に向けた研究
Project/Area Number |
18K11559
|
Research Institution | Setsunan University |
Principal Investigator |
井田 歩美 摂南大学, 看護学部, 教授 (70549203)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
美甘 祥子 奈良学園大学, 保健医療学部, 准教授 (10613804)
片岡 久美恵 岡山大学, 保健学研究科, 准教授 (20613780)
川崎 千春 関西福祉大学, 看護学部, 助教 (10711319)
藤井 弓加 関西福祉大学, 看護学部, 助教 (40758356) [Withdrawn]
妹尾 未妃 関西福祉大学, 看護学部, 助教 (60613776)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | マタニティハラスメント / 低出生体重児 / ソーシャルメディア / 情報ニーズ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,ソーシャルメディアのひとつであるわが国最大のコミュニティサイト(株式会社ベネッセコーポレーションが管理・運営する『ウィメンズパーク』)に投稿された妊娠期および育児期にある女性の発言内容を分析し,情報ニーズ,意見交換の実態を明らかにすることである. 2020(令和2)年度は,妊娠期にある女性の発言から「マタニティハラスメント」に関するものを抽出し、分析・検討を行った.最初の発言者は,妊娠中の女性であったが,それをフォローしているのは,現在,妊娠している女性だけではなく,過去にマタニティハラスメント被害を受けた女性や,結婚した直後や不妊治療を開始することを伝えた女性など様々であり,女性の職業は,保育士・幼稚園教諭,医療関係者が多かった.対して加害者は,職場の上司・先輩が多く,性別は女性の場合もあり,中には,会社組織全体の場合や男女雇用機会均等局,労働基準監督署の場合もあった.マタニティハラスメントは,妊娠期以前から起こっており,加害者は男性だけでなく女性の場合もあることが明らかとなった.さらに,本来であれば女性を守る立場である関連機関からの被害を訴える女性もおり,女性がキャリアを形成しつつ,結婚,妊娠,出産,育児を行うことのできる環境は未だ整っているとはいいがたい現状が示唆された. さらに,「低出生体重児」を育てる母親の発言の分析・検討では,敢えて低体重児であることに限定されたサイトに投稿することで得られる情報を期待していることが明らかとなった.子どもの月年齢は0か月の乳児から幼児期,学童期までと幅広く,成長,発達のあらゆる段階での情報ニーズがうかがわれ,継続的な支援の必要性が示唆された.また,修正月年齢を併記して投稿する実情は,わが子なりの成長を見守りつつも常時,早期産,低体重での出生を意識していることの表われであることが明らかとなった.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究課題に沿った内容のデータを抽出して,分析・検討し,学会での発表を行うまでのプロセスは遂行できているが,論文にまとめ,投稿を完了するまでには至っていない.
|
Strategy for Future Research Activity |
すでに学会発表を終えているものについては,順次、論文としてまとめ,投稿を行う.その際,より現状を反映した結果となるよう研究協力機関である株式会社ベネッセコーポレーションより追加で提供を受けているデータを追加したもので進めていく予定である.
|
Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症拡大に伴い,参加を予定していた国内外の学会はすべてオンライン開催となった.そのため,旅費で予算計上していたものの支出がなかったため,2021年度への繰り越しとなった.
|
Research Products
(3 results)