2022 Fiscal Year Research-status Report
ソーシャルメディアにおける将来のトレンドを予測する時系列モデルの開発
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18K11560
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小林 亮太 東京大学, 大学院新領域創成科学研究科, 准教授 (70549237)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
篠本 滋 株式会社国際電気通信基礎技術研究所, 脳情報通信総合研究所, 研究員 (60187383)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | ソーシャルメディア分析 / Webデータ分析 / 時系列モデル / フェークニュース / 情報拡散 |
Outline of Annual Research Achievements |
Web上では、時々刻々膨大な量のコンテンツ (1分間にTwitterでは45万以上のツイート, Youtube では400時間以上の動画が投稿されている) が生まれている。この中でも、人々に注目されるコンテンツはほんの一部である。本研究では、ソーシャルメディアに着目し、「将来のトレンド (Twitter におけるハッシュタグの流行など) を予測できるのか?」 という問いを設定して研究を進めた。 2022年度は、当初の研究計画を変更し、Covid-19ワクチン接種期間の大規模ツイートデータを分析することで、ワクチンに関する人々の興味・関心がどのように推移したかを調べた。まず、2021年1月から10月にTwitter上で投稿された「ワクチン」を含む日本語ツイート (1.2億ツイート) を収集し、トピックモデル(LDA: Blei et al. 2003) を使って分析することにより、主要な15トピックを抽出した。得られたトピックの代表的なツイートを精査することにより、意味解釈を行い、以下の4つの主要なテーマに整理した:1. 個人的事柄、2. ニュース、3. 政治、4. 陰謀論とユーモア。さらに、トピックの投稿割合についての時系列の分析を行った。その結果、職域接種が開始された6月を境にして、人々の興味が「ワクチン政策や経済など社会的内容から、ワクチンの副反応や予約などの個人的内容に」変化したことを発見した。本成果は、学術雑誌 Journal of Medical Internet Research から出版された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
コロナ禍以前は、データ収集を得意とする海外の研究者と連携することにより、Web・ソーシャルメディアデータの分析と数理モデル構築を進めてきた。研究計画策定時には想定してなかったCOVID-19の感染拡大により、対面での打ち合わせができない状況が3年ほど続いてしまった。それにもかかわらず、2022年度には国内の研究者と新たな共同研究を開始して、Covid-19ワクチンに関する日本のTwitterユーザの興味・関心の変化という社会的にも重要な課題に取り組み、医療情報学におけるトップジャーナルから研究成果を出版することができた。以上から、当初の計画以上の成果が挙げられていると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度には海外の研究者との交流を再開し、当初の計画としていたハッシュタグの流行現象についての数理モデル化についての共同研究を再開させる予定である。
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Causes of Carryover |
COVID-19の感染拡大の影響により、当初予定していた出張を行うことができない状態が3年近く続いている。 次年度には、国際共同研究を再開させるための旅費や海外からの招へいのための経費に使用し、これまで中断していた研究の遅れを取り戻したい。
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Research Products
(22 results)